サ行
サシペレレ       初登場:第9話  夢の12使徒が全員集合!

サシ・ペレレ Saci-perere    (ブラジル)
一本足に赤い三角帽子をかぶり、いつもパイプをくわえている肌の黒い精霊。
トレードマークの赤い帽子とパイプが魔力の源。
身長は50cm程しかないが、背丈は自在に変える事が可能で、鍵穴をくぐれる程小さくなる事も出来る。
悪戯好きで竜巻を起こしたり、いきなり火の玉の姿で現れ脅かしたりするが、子供には悪戯はせず
一緒に遊んだりする。
このイタズラ者を追い払うには大声で祈りながらロザリオ又は研ぎ澄まされたナイフを見せると良い。
サシ・ペレレの寿命は77年で、風に飛んだ椰子の実、竹の節、竜巻の中から生まれ、
最後にはキノコとなりジャングルに帰る。
ブラジルでは非常に人気のある精霊で、よく民話に登場している。

 竜巻と変身、そしてサッカーが得意な第十一使徒サシペレレ。
一般的な呼び方は「サシ」もしくは「サッスィー」。ちょっと小粋な感じ。
「世界の妖怪100話」では、一本足なのと強烈に官能的な瞳以外はほぼアニメ版と同じ姿で描かれています。
密かに参考文献に忠実な最新版では、初期はちゃんと一本足になっていました。更に椰子の実から生まれた辺りもバッチリ再現。
ちなみにファミコン版ではカカオから生まれます。・・なぜ、カカオ・・。
四神            初登場:第24話 消えた見えない学校! 

玄武(げんぶ)    zuan-wu
青竜(せいりゅう)  qinglong
朱雀(すざく)    zhuque
白虎(びゃっこ)   baihu                     (中国)

四神、又は四獣。
中国古代に信じられた4種の空想的動物で、東西南北、春夏秋冬の各方位・季節の守り神。又方角に相応する地相があり、
北・冬: 玄武(亀と蛇の合体した獣) = 丘陵・山地
西・秋: 白虎 = 大道
東・春: 青竜 = 河川
南・夏: 朱雀 = 汚地(おち=湖沼)
となっている。
この地形を有している地相を四神相応と言い、風水最高の吉相と言われている。

アニメ版では黄泉の石柱を守る四神で、元の四神も都を守る守護神でした。
登場した途端ハクタクに操られる損な役回りでしたが、四神の祭られている場所はちゃんと山だったり沼だったりと
四神相応に対応していました。
十二使徒        初登場:第1話  魔界の見えない学校!! 

十二使徒 (Twelve Apostles)(イスラエル)

十二使徒の「使徒」は、ギリシャ語でアポストロス(the Apostle)「派遣された・使者」という意味がある。
つまり使徒とは「イエスが各地へ派遣して宣教させ、また必要があればイエスの代理を勤める協力者」という意味を
持っている。
その中で特にイエスによって選ばれた十二人を総称して十二使徒と呼ぶ。

選ばれた十二使徒は決して特別な人間ではなく、むしろその逆だった。
例えば熱心党のシモンは当時意味嫌われていた徴税人であったし、ペトロやアンデレ達は元漁師と決して高い身分
ではない。更にイエスの教えを誤解したりプライドや野心を抱いたり虚勢を張るような弱さを持つ普通の人間だった。
しかしイエスは寝食を共にしながら彼らに教え育てた。

イエス処刑時まで十二使徒はまだ真の意味でイエスを継ぐものになっていなかったが、復活したイエスに会い、
聖霊を受ける体験をした後死を恐れない宣教者へと決定的に変化し、イエスの働きの後継者となり、各地方へ宣教の
旅に出、殉教していった。

なお、使徒と言われる人物や、使徒の意味付けは各福音書により微妙に異なり、
ルカの福音書ではイエスが生きている時期に派遣された人々のみを使徒としているが、
伝道者パウロはより広い解釈を行い、復活後のイエスに派遣された人物も使徒としている。

十二使徒は一般的には以下の通りである。

ペトロ(ヘブライ語読み:ケファ) Peter(ペトロとあだ名されたシモン(ヘブライ語読み:シメオン)Simon)
本名はバルヨナ・シモン(バルヨナの意味は「ヨナの息子」、シモンの意味は「聞く」)だが、
イエスに「あなたは岩である。わたしはこの岩の上に教会を建てる」と言われたことから、ペトロ(=岩)と呼ばれるよう
になった。
漁師だったがイエスの言葉に感銘を受け、同じ十二使徒の一人となる弟のアンデレと共に弟子になった。
熱心な信仰心を持ち、「イエスに最も近しい者」と呼ばれ、常にイエスの傍に控えてイエスの言葉を他使徒に伝える役
をよく担った。
しかし、後先考えずに行動する直情的な性格をしていた為失敗も多く、イエスに叱られる事も多かった。
ペトロが一度もイエスを裏切らなかったかというとそうではなく、イエスが逮捕され、兵士がペトロにイエスの弟子かを
尋問した際、「私はイエスの弟子ではありません」と以前イエスに予言された通り三回否定してしまう。
己の心の弱さを痛感し嘆くが、復活したイエスから「弟子たちの世話をしなさい」と三度命じられ裏切った後悔から
解放され、その後教会の指導者的立場に立ち、各地に宣教を行った。


アンデレ(ペトロの兄弟アンデレ) Andrew
アンデレの意味は「男らしい」。
同じ十二使徒のペトロの弟。イエスを洗礼したバプテスマ(洗礼者)のヨハネの弟子で、イエスがメシアだと言った事
からイエスに従った。その事をペトロに話すとペトロもイエスの弟子になった。


ヤコブ (ゼベダイの子ヤコブ)(大ヤコブ) James
ヤコブの意味は「かかとをつかむ者」。
マタイ・マルコ・ルカによる福音書に登場する小ヤコブと区別するため、大ヤコブと呼ばれる事もある。
ゼベダイの子ヨハネとは兄弟で、いつも兄弟揃って登場する。イエスの奇跡を目の当たりにして兄弟揃ってイエスの
弟子となった。
兄弟揃って熱しやすい性格をしており、イエスを歓迎しなかったサマリア人の村を天から火を呼び降らして滅ばして
しまおうと発言するなど血気盛んな性格をしており、よく叱責され、また失敗も多かった。
しかしペトロと同じく「イエスの側近」と呼ばれる程イエスの傍に仕え、イエス復活後の活動の中心の一人となった。


ヨハネ (ゼベダイの子ヨハネ) John
ヨハネの意味は「神は慈しみ深い」。
ヨハネによる福音書ではヨハネは「イエスが愛された弟子」で、最後の晩餐ではイエスの隣に座ったと記されている。
ゼベダイの子ヤコブと兄弟で、二人あわせて「ボアネルゲ(雷の子)」というあだ名をイエスからもらう程気が短く
荒っぽい直感で動く性格をしており、しばしば暴走気味の発言をしてイエスに叱られていた。
しかし、ペトロ・ヤコブ・ヨハネの三人が十二使徒の中心となって動いていく事になる。


フィリポ(ギリシャ語読み:ピリポ) Philip
フィリポの意味は「馬を愛する者」。
アンデレやペトロと同郷・同業の漁師で、弟子となったのも同じ時期だった。
フィリポは誠実で非常に親しみやすい性格だったと記され、しばしばイエスを紹介し、イエスへの橋渡し役となった。


バルトロマイ Bartholomew
バルトロマイの意味は「トルマイの息子」。
聖書では十二使徒の名前が4カ所で列挙されているが、バルトロマイはこのリストに名前が出てくるのみで、
詳細は不明。


マタイ(アルファイの子レビ) Matthew
マタイの意味は「神の賜物」。
マタイ・マルコ・ルカによる福音書ではアルファイの子レビと呼ばれている。
マタイの前職は徴税人で、徴税人は税金の入金分と政府に入札した額の差額を給料としていた為不正が蔓延、
高額な税金を搾り取っていたので、ユダヤ人から徹底的に嫌われていた職業だった。
ルカによる福音書によれば、カファルナウムという辺境の町で収税所に座っている所をイエスに呼ばれ、何もかも捨て
即座に弟子になったと記されている。


トマス(ギリシャ語読み:ディディモ) Thomas
トマスの意味は「双子」。
トマスのギリシャ語訳がディディモで、ヨハネによる福音書では「ディディモ(双子)と呼ばれるトマス」と書かれてる。
「百聞は一見にしかず」型現実主義者で、イエスが復活したと他使徒に聞かされた時「あの方の手に釘の跡を見、
この指を釘跡に入れてみなければ、また、この手をそのわき腹に入れてみなければ、わたしは決して信じない。」と
言った。


アルファイの子ヤコブ(小ヤコブ) James
ヤコブの意味は「かかとをつかむ者」。
ヨハネによる福音書には登場せず、マタイ・マルコ・ルカによる福音書では使徒リストに載っている。
「アルファイの子」という記述からマタイと家族としての繋がりがあったと考えられる。


タダイ (レバイ Lebbaeus)(ヤコブの子ユダ) Thaddeus
タダイの意味は「心の大きい」。 一部の写本には「レバイ」となっているものもある。
ルカによる福音書の使徒一覧ではヤコブの子ユダと呼ばれており、このユダとタダイは同一と考えられている。


シモン (熱心党のシモン) Simon the Zealot(Simon the Canananean)
シモンの意味は「(神は)聞かれた」。
カナナイオス(Canananean)は「熱心な人」を意味するアラム語。
熱心党(ゼロテ(Zealot)党)というのは、狂信的な愛国グループで、ゲリラ活動によりローマ占領軍を追い払う事を
目的としており、破壊活動さえ起こした。
なお、党といってもひとつの組織だったわけではなく、このような考え方をする人々を指している。
熱心党のシモンは、恐らく最初はイエスをイスラエルをローマ帝国から開放する救世主に違いないと期待して弟子に
なったと考えられる。


ユダ(イスカリオテのユダ) Judas Iscariot
ユダの意味は「彼を賛美しよう」。
「イスカリオテ」とは「イシュ(人)」+「ケリオテ(ユダヤ南部の町名)」で「ケリオテ出身の男」とも、
ユダが熱心党と関係があったという含みを持たせ、ラテン語「シカリウス(刺客、殺人者)」という意味をアラム語に適合
させた語を作成したものと諸説ある。

イエスに三年程従い会計係をしていたが、銀貨三十枚でイエスを売る。
兵士にイエスが誰なのか教える為、「ラボニ(先生)」と言い尊敬の挨拶である接吻をし、それが合図となりイエスは
逮捕される。
しかしマタイによる福音書によれば、その後後悔し報酬金を返そうとするが跳ね返されて絶望し、銀貨を神殿に投げ込んだ後首を吊り自殺した。
なぜユダがイエスを裏切ったのかは未だ謎とされ、金の為、他の若い信者を可愛がった為の嫉妬、政治的革命を
起さないイエスに対しての失望からくる復讐等諸説があるが、明確には解明されていない。
詳しくは→ユダ


マティア Matthias
使徒言行録によると、自殺したイスカリオテのユダの代わりに十二使徒になったと記されている。
まず、またの名をユストゥスというヨセフとマティアの二人が推薦され、くじによりマティアが十二使徒に数えられた。


埋れ木・松下・山田(ノストラダムス版)悪魔くんを語るにあたってはずせない十二使徒。
特に埋れ木悪魔くんの十二使徒は悪魔くん親衛隊とも言えるほどの忠誠心・信頼度でしたが、
聖書の十二使徒はイエス生前では教えを誤解したり、裏切ったりと最初から考えを理解して心酔していた訳ではなかったそうです。
(十二使徒の心の弱さとそれを乗り越える過程もキリスト教の教えにとって重要な事なのだそうです)
ちなみに十二使徒は「第〜使徒」という呼び方はしないそうです。しないそうですよ、ファウスト博士!
(松下の所は蛙男がいいだしっぺ)
スフィンクス        初登場:第22話  魔空間へ消える 天空船の謎 

スフィンクス    Sphinx    (エジプト)
人間と獅子の体をしているエジプト王家のシンボルであり、神殿を守護する神聖な彫像。
神秘を漂わせるこの彫像を発見したアラブ人は「アブル=ハウル(恐怖の父)」と名づけた。
スフィンクスの顔は王の顔をかたどっており、スフィンクスの役割は自らの石の口を開いて神々の意思を伝える事、
魔除け、番人、死者の見送りである。
また、スフィンクスに見つめられた者は、身動きが取れなくなったという。
このスフィンクスがギリシャに伝わりギリシャ神話で有名な「朝は四本、昼は二本、夜は三本のものは何だ?」という
問いをする魔物として登場する。

劇場版でも登場したスフィンクス。
アニメ版では元と同じエジプトの守護をしていましたが、松下版ではサタンを操る黒幕でした。
しかも中に誰か入っているようです・・・ブルブル。
なお当然ながら神話のスフィンクスはビームを出したりしません(笑)。

セドナ         初登場:第20話  遠い海から来たセドナ

セドナ Sedona   (カナダ)
イヌイットの間で語り継がれているアドリブン(=下界)、海底、冥界の女王、そして海の動物達の女主人にして母。
海の魚にとりかこまれ、ひっそりと海底に住み、めったに浮上する事はない。
一つ目で、呪術師でないと直視する事が出来ない程醜い顔をしているという話もある一方、
美しい海の神の娘だという話も伝わっている。
しかしそのいずれのセドナも海の女王となったいきさつは同じような経緯で書かれている。
船に父親と乗っている際嵐に会い、セドナが投げ出され船の端に捕まっていたのを
父親が我が身が助かるためセドナの指を切り落とし、セドナは海に沈んでしまう。
そしてそのまま海の支配者となった。
切り落とされた指はアザラシになったとも、クジラになったとも言われる。

ちょっと可哀想な逸話を持つセドナ。
冥界の王、という辺りは同じですが、直視出来ないほどの顔というのはどんな次元の不器量さなんでしょうか。
しかし美人だったという話もあるのが興味深いです。どちらにしてもあの海坊主然としたセドナが女性とは・・。
僧魚     初登場:第9話  夢の12使徒が 全員集合!!

僧魚  Sea monk   (ノルウェー)
十六世紀の酷い嵐が去った次の日、沖で奇妙な生物が捕らえられた。
頭の禿げた粗野な人間の顔に、腕の代わりに長く小さな羽と尻尾の生えた、僧侶が魚と化したような
不思議な姿をしていた。
僧魚はポーランド王に贈られたが、王は哀れに思い、海に戻してやった。

僧魚も水木先生オリジナルと思っておりました(恥)。あの容姿なので絶対アジア系と思っていたのですが、ノルウェー・・。
イラストもアニメ版と全く同じです。アニメ版では淡水産ですが、元は海の魚(?)だったようです。
算盤坊主       初登場:水木しげるのノストラダムス大予言 

算盤坊主(日本)
人気の無い道脇の大木の影で、パチパチと算盤を弾くような音をたてて人を驚かせる妖怪。
姿は見えず、音しか聞こえないのが特徴。
 いぶかしんで大木の周りを調べると音は消えるが、目を離すとまた聞こえてくる。
京都府亀岡市西別院町の亀岡市笑路にある西光寺には、昔この寺の小坊主が計算を間違えた事を和尚に罵られ、
それを苦にして寺の萱の木で首を吊って死んでしまい、その後、その小坊主が亡霊として現れ、盛んに算盤を弾いて
いるという伝説が残っている。

事ある事にパチパチ算盤弾いている(でも何もしない)算盤坊主もノストラダムス版山田くんの十二使徒の一人です。
姿が見えないのになぜ坊主と分かるのかというツッコミはおいといて、算盤坊主話は多くのバリエーションが各地に残っている
のですが、悲観の末首吊りというような結構陰惨な因縁話が多いです。
和尚さんもそんなにきつく叱らなくても(そういう問題じゃない)。
ソロモン王       初登場:第39話  ソロモンの鍵と 究極の六芒星

ソロモン Solomon    紀元前961〜931年(イスラエル)
古代ローマ帝国の圧政に反旗を翻し、イスラエル王国の建設したダビデ王の子にしてイスラエル国の第三代国王。
卓越した賢者にして優れた王であったソロモン王はイスラエル王国に安定と繁栄をもたらした。
数々の偉業を行ったソロモン王だが、その最大の功績と言えるのがエルサレムの神殿建築である。
18万人の労働者を使役して建てられた荘厳で壮麗な装飾を施していることから、
ソロモンが魔神に命じて建てたのではないかと噂される程だったという。
しかし「ソロモンの栄華」と謳われる程王国を繁栄させたソロモンだが、晩年は重税による貧富の差、
数多くいた異国の妾妃が持ち込んだ異教とユダヤ教による宗教対立などが重なり、
イスラエル王国は分裂崩壊の運命を辿った。
伝承の中で召喚術をも行う魔術師とされたソロモン王は『ソロモン王の大きな鍵』、
『ソロモン王の小さな鍵(レメゲトン)』というグリモワール(魔術奥義書)を書き残した。
(しかしこれは虚偽で、後世の魔術師達が書いたことが判明している。)
伝承では72の悪魔を真鍮の容器に封印し、深い湖に投げ込んだ、あるいは使役したという。

恐らくアニメ版における最重要キャラのソロモン王。名前だけは最初から随所で聞かれたものの、
姿を見せるのは終盤とかなりもったいぶった人でした。
元のソロモン王はメシアと崇められ絶大な支持を得た父・ダビデに勝るとも劣らない偉大な王だったようです。
(最後には自らの手で崩壊させてしまいましたが) 72柱の悪魔を封印した大魔術師でしたが、
その悪魔達が黒悪魔として悪魔くんと敵対するというのもなかなか面白いです。
タ行
ダニエル       初登場:水木しげるのノストラダムス大予言 (山田版悪魔くん)

ダニエル Daniel    (イスラエル)
旧約聖書に収録されている「ダニエル書」の主人公。ダニエルという名は「神は裁かれる」という意味を持つ。
エルサレムを制圧したバビロニア国王ネブカドネザルは、 国中で最も知力、体力に秀でた4人を奴隷として
バビロニアへ連行したが、その中で最も優れた人物がダニエルだった。
ダニエルは予知夢や幻の解釈が上手く、数多くの悩ましい夢にわずらわれされていた ネブカドネザルの夢を解釈し、
次々と未来を予言した。
これにより王の信頼を得、高い地位に就いたのだが、それを妬んだ宮廷の人々によってライオンの巣穴に
放り込まれてしまう。
だが唯一神への信仰心があついダニエルは天使の加護により全く無傷だった。

「ダニエル書」後半部で、ダニエルは様々な夢(=予知夢)を見る。
それは四匹の異形の獣が現れ天は最後の審判を実行する。
そのような状況の中、世界を救い人類を永遠の楽園に導く「人の子(=救世主)」が現れる、というものだった。
この後半部の話は「黙示(黙示=隠された真理を開示する。ここでは隠されていた神の言葉(未来)を公開するという
意味)文学」と呼ばれ、 後世の黙示文学書「エゼキエル書」、「パウロの黙示録」に影響を与えた。

ノストラダムス版のみ登場したアクエリアス教団教祖にして山田くんのライバル・ダニエルお坊ちゃん。
三本毛がチャームポイントです。
ダニエルの親も凄いがダニエル本人も輪をかけて凄い!
時空を飛び越えやりたい放題悪行三昧、メフィストも軽くあしらうスーパーなお子様です。
元ネタのダニエルも知力体力信仰心を兼ね備えた美男子、おまけに夢解きの特技あり、とやりすぎな位恵まれまくった人物です。
(ちなみに元ネタのダニエルは救世主ではなく、預言者の青年。)
名付け親はシーレン。作中でもダニエルの名前は旧約聖書の預言者からとったとバッチリ明記されています。
この名前をつけたと言う事は、もうこの地点でダニエルをメシアと名乗らせて使って云々というプランを立てていたようです。
計画性ありますなぁシーレン!
つらら女       初登場:水木しげるのノストラダムス大予言 

つらら女    (日本)
ある吹雪の晩、夫婦者の家に色の白い娘が迷い込んできた。吹雪で道に迷ったので一晩泊めて欲しいという娘の
願いを快諾した夫婦は風呂を沸かして娘に入るよう言った。
娘はなかなか入ろうとしなかったが、無理に勧めると、娘は悲しそうな顔をして風呂に入った。
なかなか出てこない娘を心配した夫婦が風呂場に入ってみると湯ぶねの中には娘の姿はなく、娘の髪にさしていた
櫛が1つ浮いていた。 風呂場の中は、水蒸気が寒さのためにつららと化してぶら下がっていた。
それで夫婦はあの娘がつらら女だった事にはじめて気づいたのだった。

東北の豪雪地帯にはつらら女の他に雪女、雪姫、シマガ女房といった雪の精の話が数多く伝わっている。
湯に入れると消えてしまったという基本形は同じだが、前述の「迷い込んだ娘」の他に「雪女が残した子供」
「男の前に突如現れた美女」など話の前後にさまざまなバリエーションがある。
大抵は儚さを感じるものが多いが、青森県にはつらら女が夫となった男の心変わりを恨んでつららに変身して男を
殺してしまった、という話も残っている。

ノストラダムス版山田真吾の十二使徒です。
「女性使徒は(あらゆる意味で)強い」という悪魔くんワールドの法則を忠実に守り、彼女もまた有能な戦闘要員です。
元ネタはいわゆる雪女ですが、正体がつららなだけあって怒らせると巨大アイスピックになってグサッ!怖いです。
ノストラダムス版ではつららにこそなりませんでしたが、雪を降らせたりと名残は見せています。
妖怪入門等で水木先生の描かれているつらら女はトラウマになりそうな恐怖顔で描かれていますが、
漫画ではまんまるの目をした比較的可愛い姿となっていますので安心してご覧下さい。
鉄鼠       初登場:水木しげるのノストラダムス大予言 

鉄鼠    (日本)
平安後期、天台宗三井寺(現:園城寺)の高僧、頼豪(らいごう)は白河天皇の命で、百日間肝胆を砕いて皇子誕生の
祈祷を行った。その結果、天皇が寵愛していた中宮賢子(源顕房の娘で藤原師実の養女)が無事皇子を出産した。
天皇は喜び、頼豪に望みの褒美を尋ねると、頼豪は三井寺に戒壇(僧侶に戒を授ける儀式を行う建物)を建立したいと
申し出た。
何故頼豪が戒壇建立にこだわったのかというと、頼豪のいる天台宗の山門・寺門という二つの派閥争いにあった。
延暦4年(785)最澄が比叡山に開山して以来、天台宗は大いに栄えた。しかし最澄の弟子であった円仁・円珍が
激しく対立し、円仁派門徒が円珍派門徒を焼きうちした事件により円珍門徒は三井寺に移った。
それ以降天台宗は比叡山を中心とする円仁派=山門と、三井寺を中心とする円珍派=寺門の二大派に別れ、争いを
繰り返していた。
しかし、天台宗の門徒は戒壇で戒を受けなくてはならず、当時三井寺に戒壇は無かった。
この為寺門派はたびたび朝廷に戒壇建立の勅許を求めたが、その度に山門派の激しい反対にあい頓挫し続けていた
のだった。
山門派は武力派が多く、公家出身座主の多い寺門派は太刀打ちが出来なかった。
しかし摂関家が寺門派を重用しようとする動きが多々あり、権力の零落を恐れる山門派は戒壇建立を阻止しなければ
ならないという背景もあった。
そして今回、再び機会が巡ってきたのだが、山門派の勢力を恐れた天皇はその願いを退けた。
この事を悲憤した頼豪はその後世間と交流を絶ったが、問題の皇子(敦文親王)が4歳で薨じた為、「頼豪の悪霊に
呪い殺された」と噂されるようになった。
その話は次第に発展していき、「頼豪が恨みのあまり死後数万の鼠と化し延暦寺の経典を食い破った」という話が
出来上がっていき、「平家物語」「太平記」等に以下のように記された。
三井寺の持仏堂に篭った頼豪は、なだめに来た僧に「天子に戯の詞なし、綸言汗の如し(天子の言葉は汗と同じで、
一度出たら戻らない)」と怒りを解く様子は無かった。
そして頼豪は、百日間の断食行において髪も爪も切らず、護摩を焚き続け、絶食により死亡した。
ある話では皇子の枕元に錫杖を持った老僧が現れ「皇子は自分が自分が祈り出したのだから、願いが叶えられない
のなら取り返す」と語るという怪現象が起こり始め、やがて頼豪の呪詛通り敦文親王は4歳で薨じた、とある。
またある話では、頼豪が死の直前に吐いた息は無数(「本朝語園」では8万4000匹)の大鼠群と化し、又自らも石の体
に鉄の牙をもつ「鉄鼠」となり比叡山に向かい、山門派の経典・宝物を散々に食い荒らした。
さすがに恐れおののいた比叡山では、東坂本に宝倉を建て、頼豪を神として祀った。ようやく頼豪の怨念は収まり、
以来この社は「鼠の秀倉」と呼ばれるようになった。
また三井寺でも十八明神に頼豪を祀り、これは別名「鼠の宮」と呼ばれている。この社は、北の比叡山を睨むように
建てられているという。
一方延暦寺にも鉄鼠伝説があり、こちらは比叡山の高僧大徳が神通力で大猫を現出させ、鼠を退治したと伝わって
いる。この猫を祀った社「猫の宮」が坂本にあり、こちらも南の三井寺を睨むように建てられているらしい。

実相房頼豪阿闍梨(1002〜1084)は、藤原宇合の子孫、藤原有家の子として生まれた。
碩学(せきがく:学問が広く深い事)の誉れ高く、権僧正心誉に師事、有験の僧として名を馳せた。
頼豪が戒壇建立に尽力したのは事実だが、その事から山門派と寺門派の対立を背景として生まれた話が鉄鼠伝説
なのだろうとされている。


ノストラダムス版山田真吾の十二使徒です。
漫画でも無数の鼠に変化したり大活躍している鉄鼠ですが、僧侶の怨霊の化身がなぜ山田くんの十二使徒をしているのかは
聞かないで下さい。
それはそれとして鉄鼠の元になった頼豪阿闍梨の怨念話は比叡山・三井寺の派閥争いが背景にあり、一口に怪異談で片付けられる
ものではなさそうです。
天を支える柱       初登場:第28話  世界のヘソ、蓬莢島の危機

天柱(てんちゅう)    (中国)
天を支える8本の柱。
「神異経」、「中荒経」に「崑崙の山に天に入るほど高い銅柱がある。
(中略)周囲三千里で削り取ったようにそびえる」とある。
又、この柱は「崑崙の銅柱」とも呼ばれ、不老不死の水が涌き出ているという説もある。

アニメ版では「摩天楼」と呼ばれた天と地を支える柱です。アニメでは一本でしたが、元は8本あったようです。
この「8」という数字はおめでたい数字だからと思いますが、アニメ版でも8本だったら
さすがの悪魔くん達でもアウトだった事でしょう。
ティタニア   初登場:第15話  眠れる森の妖精王 ティタニアの願い

ティタニア (ティターニア) Titania    (イギリス)
妖精王オベロン王の妻。ティタニアとは「大地の娘」という意味を持ち、
妖精らしく非常に美しい容姿をしており、又自由奔放で気まぐれな性格をしている。
シェイクスピアの「真夏の夜の夢」では、夫・オベロンと互いのお気に入りの人間を巡り騒動を巻き起こした。

「真夏の夜の夢」では気まぐれで奔放なティタニアですが、アニメ版は真面目で慈悲深い女王になっています。
一見儚げな容姿ですが、クエレブレを一撃で封印できる実力者。さすが妖精王。
ちなみにオベロンは登場しませんでした。ちょっと残念。
天空船    初登場:第22話  魔空間へ消える天空船の謎  

太陽神ラーの聖船   (エジプト)
植物の成長をうながし大地の豊穣をもたらす太陽を崇拝していた古代エジプト人は
太陽は毎日東方から生まれ、太陽神ラーの乗る聖なる船で西へと運ばれ、日没と共に太陽は死に、
朝になると又生まれてくるのだと考えていた。
毎日復活・再生する太陽の永遠性を欲したエジプト人達は、自分も聖船に便乗し、永遠の命を得たいと願った。
太陽神ラーの聖船に乗って天の大河を渡り、天上の神々のいる死者の国に行きオシリス王の死者の裁判を受け
更にいくつかの試練を乗り越えた後この国で永遠の命を得る事、それが古代エジプト人達の夢だったのである。

アニメ版では千年毎に死者の霊魂を天国へ運ぶ天翔る船。
天国に行くのになぜエジプト?と思っていたら元がエジプトだったんですね。
聖船はウテト船という大きな細身の船と同形と言われていて、エジプトの博物館に復元されたものが展示されています。
アニメのようにピラミッドや塔やスフィンクスがセットになっている訳ではありませんが、アニメ版天空船の形は
このウテト船から取ったようです。
東嶽大帝        初登場: 第10話 魔女伝説!恐怖が待ち伏せる幻の館 

東岳大帝    (中国)
別名泰山府君(たいざんふくん)。
中国で神々が住む霊山として信仰されていた五岳(東岳=泰山、南岳=衡山、西岳=華山、北岳=恒山、中岳=嵩山)の
一つ東岳・泰山の神にして五岳の長。
人間の寿夭(じゅよう=寿命)生死を司どり,死後の世界において死者の生前の行為の善悪を裁きを行い
その結果で死者を地獄に落とすか再び人間に転生させるかを決定した。
その権力は絶対で、歴代皇帝はこぞって東岳大帝に参拝し、国の安泰と己の不老不死と昇仙を祈願した。

悪魔くんに立ちふさがる 黒悪魔の親玉・東嶽大帝。アニメ版では天上の神々に使えていたとなっていますが、
元は天帝(道教における最高神)と等しい程高い地位にいました。
アニメ版がこれに忠実だったらややこしいこと限りなしでした。
名前の読みは同じですが、アニメ版は東「嶽」大帝、元は東「岳」大帝です。
東岳大帝は冥界のボスの役割も持っており、つまり閻魔と同じという訳です。
よーーく見ると閻魔と似ているのも頷けます。東嶽大帝の方がフェイスメークしている分派手ですが(笑)。
どくろのトミー        初登場:「どくろのトミーの巻」(最新版悪魔くん) 

どくろのトミー Tommy Rawhead-and-Bloody-Bones   (イギリス)
正式名称はロー・ヘッド・アンド・ブラディ・ボーン(Rawhead-and-Bloody-Bones、頭蓋骨とももの骨2本の交差物で、
お化けや怖いものの象徴)だが長すぎる為、一般には「どくろのトミー」と呼ばれる。
イギリスの親達は、古い泥炭土坑や池に近づくとどくろのトミーに引きずり込まれると教え、
危険な地帯へ行く事を戒めた。
また、嘘をつくとどくろのトミーに恐ろしい骨の山へ連れて行かれる、と躾に一役買うこともあった。
一説では、毒薬の瓶に貼られたドクロのマークや、海賊船の旗印に描かれたドクロも、どくろのトミーと関係があると
いわれている。  

メフィスト二世の母・サマリンに振られ、ミコにボコボコにされとあの一族が天敵のようなどくろのトミー。
なぜ女言葉なのか気になるところですが、元はもったいないオバケのような子供を戒める為に生まれた妖精だったようです。
最新版のトミーが来ると言われてもあまり怖くないような気がしますけどね。
鳥乙女          初登場: 第1話 魔界の見えない学校!
鳥乙女     (ペルー キトー地方)
 遥か昔、大洪水が起こり二人の兄弟を残して全人類が水没してしまった。
兄弟は家を建て、草や木の実を食べ命を繋いでいたが、
ある日を境に知らぬ間に食事の支度が用意されるようになった。
不審に思った兄弟はある時家の影に隠れ様子を伺っていた。
すると、二人のコンゴウインコが現れると美しい乙女の姿になり食事の支度を始めた。
弟がすかさず扉を閉め、自分達と結婚してくれるよう頼んだ。
逃げられないと悟った乙女は結婚を承諾し、その子供がカナリ族の始祖となった。

 強く正しく美しいと三拍子揃った第十使徒鳥乙女。これまたアニメ版と関連性の薄い話でした。
ちなみに一般にコンゴウインコと言うと、アカコンゴウインコ(緑と赤を基調とした鮮やかなインコ。アマゾン川流域原産)を指すようです。
始祖が人間外のものだという話は世界各国にあります。
これは 自分達には神の血が混ざっているとして権威を高める為らしいです。


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