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魔火の計略により幻の館にやって来た埋れ木一家。(一人除く)
荘厳な建物におのぼりさん状態で楽しんでいる。
ふと壁を見ると少女の描かれた肖像画が。素晴らしい出来栄えのその絵に見とれていると、
絵と瓜二つの美人の案内係が現れ、屋敷内を案内すると言った。

一方こちらは家族の待つ「幻の館」に向かう悪魔くん一行。
「早く、早くだもんメフィスト二世!」と勝手極まりない台詞
「お望み通り」の乗客を吹っ飛ばしかねない程の超スピードでかっ飛ばすメフィスト二世。
そして幻の館のある「しかばね湖」駅前に到着し、機嫌直しのラーメンを食べている時に
ホテルの迎えの車が到着、ホテルまで向かうが道のりはこれぞ田舎道という超オフロードコース
しかもタイヤがパンクしてしまう。
丁度ホテルの観光施設「幻の館」の目の前だったので、雨も降り出したので行ってみる事に。
幻の館にやってきた悪魔くんは例の案内人に館を案内される。

「面白いものをお見せいたします。」といって連れて行かれたのは
拷問道具だらけというオモシロイというよりオソロシイ部屋。
落雷も落ちて不吉ムード満点!
雷程度ではビビらない悪魔くんは外にエツ子を発見する。
「迎えに来てくれたんだ!」と悪魔なのに恐怖でパニックになっている百目と
「この音を聞くとワクワクするぜ」と悪魔らしい感想を述べているメフィスト二世を置き去りにして外に出ていった。

残された悪魔達は拷問道具満載のこの部屋でお茶の時間。
そして案内係は「悲しみの少女」と題されたあの絵の少女と魔女狩りにまつわる悲劇を話し出した。
あの絵の少女は逆恨みから魔女だと訴えられ、
恋人の目の前で火あぶりにされてしまったのだ。
「か・・・悲しい話だもん。悲しくて悲しくて・・・何だか眠くなってきたもん・・。」
そんな馬鹿な。
しかし百目とメフィスト二世は眠り込んでしまう。お茶に眠り薬が仕込んであったのだ。
実は彼女こそ「悲しみの少女」その人で、
人間に対する恨みと憎しみを抱きつつ絵の中で生き続けてきた彼女を魔火達が利用しているのだった。
眠り込んだ二人は即ぐるぐる巻きにされて頭をゴンゴンぶつけながら秘密の地下室に運び込まれていった。

一方、エツ子を探していた悪魔くんは底無し沼に落ちこんでしまう。
が、底無しではなく底有り沼だったようで、気がつくと洞窟の中に倒れていた。
風を頼りに進んでいくとメフィスト二世らが連れて行かれた地下部屋にたどり着いた。

ふと見ると壁に両親とエツ子、情報屋とホテル支配人らが涙を流している絵が。
驚く悪魔くんの前に案内係が現れ自らの正体を明かす。
自分と同じ目に合わせてやる、と人間に無差別報復を行う彼女を理論整然と叱責しつつ説得する悪魔くん。
「あなたがやっている事は魔女狩りと同じじゃないか!」
痛い所をつかれ、一瞬怯む少女。
旗色悪し、と見た魔火は彼女を鬼婆に変えてしまう。
見るも無残な変わりように「これは普通じゃない!」と影で何者かが操っていると察知、十二使徒を呼び出そうとするが、
天井に吊し上げられている爆眠中のメフィスト二世と百目、そしてこうもり猫を発見する。
こうもり猫は何やら怪しげな霊気を感じ幻の館に来ていたのだが、人魂に襲われ
今まで天井吊りにされていたのだった。

火のタロットカードで縄を切るという大雑把な救出をした後、
こうもり猫がこうもり達で対戦している間に悪魔くんはピクシーを召喚、
死人も起きそうな激不味い薬でメフィスト二世と百目を目覚めさせる。

さっそくこうもり猫とバトンタッチしたメフィスト二世は魔力 畳返しで鬼婆の恨みのヘドロを跳ね返した!
自らのヘドロを食らった鬼婆は魂となって絵に逃げ帰る。
とどめを差そうとするメフィスト二世の前に
「彼女が悪いんじゃないんだ!」「これには深い事情があるんでヤンスよ!」と
悪魔くんとこうもり猫が立ちふさがる。
と、肖像画がどんどん爛れていく。そして彼女の心の声が辺りに響く。
『・・ああ・・会いたい・・・一目会いたい・・・・フランク・・・』
このままでは彼女が浮かばれない・・・。
そうだ!恋人に会わせてやれば!と今回冴えまくっているこうもり猫の発案でサシペレレを召喚。
「この絵の恋人に変身してくれ!」と事情を一切説明しない要求に
サシペレレは文句も言わず「わかった!」と即答し、いきなり時空を超えて恋人の姿を探し出し
到底画家には見えないような美男子っぷりの恋人・フランクの姿に変身した。
願いの叶った肖像画から涙が溢れ出す。同時に魂が開放されエツ子らは絵から解き放たれた。

こうもり猫は肖像画を恋人の墓に置いてやる為にヨーロッパに旅立つ。
「こうもり猫も今回はマトモだったもん。」と百目が無礼だが的を得た感想を述べていると
幻の館がゆっくりと消えていった。幻の館はその名の通り全て幻だったのだ。

悪魔の影が消えたしかばね湖は空前の活気に満ちていた。
客全員タダだと思っているとは夢にも考えていない管理人はいきなりの千客万来に嬉しい悲鳴を
あげている。
そしてその騙され家族の中で一番張り切っている埋れ木ママ。
その興奮ぶりを伺いながら近い将来訪れるであろう悲劇を思って頭を悩ます悪魔くん達。
三人の苦悩も知らず、つかの間の我が世の春を謳歌するママさんであった。


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ロードレース大会に向けて猛特訓中の貧太。
しかし他の子供に「や〜いオンボロ自転車〜!」と馬鹿にされ屈辱感でいっぱいになりながら帰宅、
自転車買ってくれ、と両親に猛烈アピール。
父親もゴルフクラブを新調したいと便乗おねだりを試みる。
しかし金無家の大蔵省は難攻不落の城だった。
「安月給のくせにゴルフなんてする方が悪い」、「自転車なんかするより一に勉強、二に勉強!」と
反撃の隙を与えない猛攻撃によりあえなく撃沈。

そんな状況で少々ヘコみ気味の貧太に声をかけてきた一人の老紳士。
「君達子供の味方さ。イィッヒッヒッヒッ・・・」と語る
警察に突き出されても文句が言えないようなあぶない老人
悪魔を呼び出して願いを叶えてもらえばいいと言う。
貧太は一度躊躇したものの、結局物欲に負け悪魔「まんだらけ」を召喚する。
呼び出されたまんだらけは貧太を「ご主人様」と言い、三つの願いを叶える事を約束する。
半信半疑ながらも期待満々顔の貧太が学校に向かった後、魔火達が現れる。
全ては魔火達の計略だったのだ。
当然魔火その1だった老人は貧太を使って悪魔くんを抹殺するようまんだらけに持ちかける。
悪事大好きなまんだらけは勿論OK。さっそく貧太の元へ飛んでいった。

その頃学校では算数のテストがおこなわれていた。
十二使徒探しやら悪魔退治やらと実に小学生らしくない理由で勉強する暇のなかった悪魔くんは
隣の百目に答案を見せてもらおうと猫なで声を出すも、
「いくら十二使徒だからってテストまで協力できないもん!」
と至極まっとうな意見で拒否される。そりゃそうだ。
しかしそういう百目は百の目を思いっきりギョロつかせてカンニングしているのだが。

そして勉強していなかった貧太もピンチをむかえていた。
『くそーっ、どうにかならないかなぁ、このテスト・・・!』
と心の声で叫んだ瞬間、ひとりでに手が動き答えを書き出した!
まんだらけが第一の願いを叶えたのだ。

そしてテスト結果は悪魔くん50点、百目51点。キリヒト95点。
不正行為をしてようやく悪魔くんに勝てた百目は大喜び。
そんな中、貧太は100点をとった。
貧太に負けての大ショックのキリヒト、優等生のプライドはもうガッタガタに。

そして第二の願いは、女の子に囲まれている百目を僻みまじりの願い。
『僕も女の子にもてたいなぁ』
すると手のひらを返したように百目から貧太に鞍替えする女の子達。
生涯初めてモテるという体験をして有頂天の貧太、
『悪魔くんも何も好き好んで苦労ばかりしなくても、こうやって悪魔を使えば得するのに、ヒヒッ』
と身も心も暗黒思想にどっぷり浸かっていた。

たかだかクラスの女の子にちやほやされた位でスキップして帰るという
思春期の男の子らしい浮かれ具合で帰宅した貧太はさっそく母親にテストを見せる。
しかし母親はカンニングしたのではないと疑惑の目を向ける。
脛に傷持つ貧太はつい口篭もり、それがますます母の疑念を募らせる結果となった。
今日一日で驕っていた貧太、つい「母さんなんか、母さんなんか・・・」
『いなくなっちゃえばいいんだ』
そう思った途端、母親が悲鳴と共に掻き消えた!
まんだらけが最後の願いを叶えてしまったのだ。
母さんを返してくれと訴える貧太に、今までの従順な態度をかなぐり捨てたまんだらけは
三つの願いはもう叶えたといい、今度は自分の命令を聞く番だ、と貧太に迫っていく・・・。

場所は変わって埋れ木家。
当り前のようにメフィスト二世が夕飯をごちそうになっている。
「いつもラーメンばっかりだと栄養が偏っちゃうのよ、メフィスト二世さん。」
「まるでメフィスト二世のお母さんが二人いるみたいだもん」
と長男不在でも仲良し家族ムードでいっぱいです。
と、そこへ埋れ木父がタバコを買って帰って来た。
悪魔くんは貧太に呼び出されて出て行った、という話をしながら百目が一言。
「なーんか、嫌な予感がするんだもん。」

その頃悪魔くんはちょっと友達が呼び出すには相応しくないような
人気のない森の中で貧太を待っていた。
そこに妙に青白い顔をした貧太が現れ、一人でやって来たかしつこく尋ねた後
いきなり前のめりに倒れる。
驚く悪魔くんの前にまんだらけが現れ、攻撃をしかける!
そこに間一髪でメフィスト二世と百目が助けに来た。

二人が応戦している間に悪魔くんは幽子を召喚し、照魔鏡でまんだらけの魔力を吸い取らせる。
が、そうはさせじと魔火達が一斉に襲いかかってきた!
悪魔くんはユルグを召喚、
俺様は忙しいんだ。用件ならてっとりばやく頼むぜ」と巨大な態度で登場したユルグの狐火で魔火の炎を相殺させた!
すると魔火は魔力を失い黒小人の姿に変わる。同時に幽子の魔力吸引が完了した!
魔力を失ってヘロヘロのまんだらけにとどめの百目の目玉+メフィスト二世の魔力 細胞巨大の協力攻撃が炸裂!
ビック百目玉を目に詰め込まれるというこの拷問に完全にKOされたまんだらけは貧太の母を返し再び眠りについた。

まんだらけが片付いたので今度は元魔火の黒小人達の番となった。
黒小人達はクエレブレに姿を変えられ元の姿に戻してもらう為悪魔くんを狙ったのだ、と
子ねずみのように怯えながら説明した。
悪魔くんは「彼らも被害者なんだよ。」と黒小人の肩を持ち、更に故郷のヨーロッパに帰してやる。
相変わらず弱者にとことん優しい悪魔くんであった。

そして母をおぶって我が家へ帰ってきた貧太が母親が今日の出来事を覚えていない事に
安心していると、父が自転車を腕によりをかけて直した、と言った。
「うっひゃ〜ずいぶん派手だなあ!」
そこには車体が水色になっただけのように見える『派手』になった自転車が!
自転車と、いつになく仲の良い両親を見ながら妬んだり嫉妬したりしていた自分を反省する貧太。
その姿を垣根越しに覗き見していた悪魔くんは百目と微笑み合う。
今回の事件も黒い影の仕業だろうが、何はともあれ解決して良かった・・・。

一方魔界の悪魔城。
立て続けの作戦失敗の上に魔火も失ってしまったクエレブレは
名誉挽回とばかりに自らが乗りだそうとするが、何故か東嶽大帝は止める。
「地獄界で面白い事が始まりそうじゃ。」
不敵に笑う東嶽大帝。地獄界に何が起こるというのか・・・。


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「地獄界と悪魔界を巻き込んだ大騒動が起こるはずじゃ!」
悪魔城の東嶽大帝はそう宣言していたが、はたして何が・・・。

その夜、ちょんまげに和服と思い切り現代から逆行している人物が悪魔くんの部屋を覗いている。
部屋には悪魔くんと、いつの間にか寝床が悪魔くんの部屋に昇格した百目が眠りこけていた。
「百目・・・百目・・・パパだよ・・・。」
百目は夢の中で父親の声を聞く。
声は魔法陣の4を5に変えれば次に悪魔くんが召喚を行った時百目の側に行ける、と
妙に具体的なアドバイスをするだけして遠ざかっていった。
次の日、何の疑問も抱かずあっさり信じた百目はこっそりいつもの洞窟にやってきた。
そして涙ぐましい跡が見られる文字の練習帳を見つつ、
魔法陣の「4」を少々不恰好な「5」に書き換える。

場所は変わって森の中。「珍しい鳥がいる」という噂を聞きつけ特ダネなら何でもいい情報屋と
付き合いでやって来た貧太が探索していた。
鼻息の荒い情報屋が物音を察知、カメラを向けると・・・
そこにはラフレシアにタコの足をつけたような怪物が!
「ば、バケモノだぁー!!」
シャッターをきる事も忘れて逃げる情報屋。しかし触手につかまり怪物の口の中へ!
「おーい、そいつを食っちゃいかん。この壷の中に入れるんじゃ。」
と先日の不審人物とこれまた怪しい身なりの出ッ歯男が怪物に命令し、情報屋を壷の中に入れてしまう。
ちょんまげは油すまし、出ッ歯は小豆とぎという妖怪であり、
どうやら「なんじゃもんじゃ」というものを誕生させようとしているらしい。

その後、情報屋を探していた貧太が坂をタルのように転げ落ちた先で丸い石を発見する。
何とそれは情報屋のなれの果て。あまりの事態に少々錯乱気味の貧太、
「情報屋!おい!起きろよ!!」と石の情報屋に呼びかける。
そして遂に恐慌状態になり、絶叫
それでも忘れず情報屋を連れて一目散に悪魔くんの元へ駆け込んだ!

石化した情報屋を見てもさして動揺しない悪魔くんは、ピクシーに治療させようと魔法陣に向かう。
魔法陣の「4」の位置には「5」が・・・。ついそこに注目する百目。
悪魔くんが呪文を唱えている最中、地響きが。外に出てみると先程の化物がやってきていた!
メフィスト二世が対戦するも一人では手一杯。そこで家獣に加勢させようと召喚を始める悪魔くん。
しかし、いつもの白煙でなく黒煙が辺りに噴出し始める。
常と違う様子に戸惑う悪魔くんの前に現れたのは顔面獣というその名の通り一頭身の魔物。
父親が出てくるように祈っていた百目はパパどころではない怪物の出現に驚愕する。

顔面獣は意味も無く呼び出された腹いせに悪魔くんを食べようとするが、
例の化物が顔面獣を捕まえタイマン開始

外で場外乱闘が行われている中、百目は自分が魔法陣を書き換えた事を告白。
この十二使徒の自覚ゼロの百目の行動に
「バッカだなあ!騙されたに決まってるだろ!」と至極当然の非難をするメフィスト二世と
自分の命が危なかった事はすっかり水に流してなだめる悪魔くん。
と、外が静かに。決着がついたのか?
おそるおそる覗いてみると、何と二匹の怪物が互いに絡み合い一つの固まりになっている!

この時を待っていた小豆とぎは透明な魚のような姿の「もののけ」を使い、怪物ボールを油すましの元へ運ぶ。
油すましは妖怪の底力で掘りあげたクレータークラスの穴に球体を入れさせ、
そして超怪物「なんじゃもんじゃ」が誕生するまでの時間かせぎをするようもののけに命令を下した。

一方魔法陣の数字を元に戻し、家獣、ピクシー、ヨナルデパズトーリを一気に呼び出した悪魔くんは
ピクシーを情報屋の治療にあて、家獣に乗りもののけを追跡していた。

その途中、どう見ても日本じゃないような荒涼とした土地の巨大な裂け目の中に洞窟を発見する。
あれは何かと尋ねる百目に
古の時代にあった悪魔と妖怪の大戦争で暴れた妖怪を封じ込めている天の岩戸だと
ここぞとばかりにヨナルデが解説する。
しかし何故それが開いているのか・・・。と思っていると、もののけが一斉に襲ってきた!

もののけは相手のエネルギーを吸い取る能力があり、家獣越しに顔が変形するほど強烈に吸われる悪魔くん達。
家獣は太陽光線で攻撃するも透明なもののけに光は通用しなかった。
体中もののけだらけの家獣はとうとう湖に墜落!
水が苦手なもののけは一旦家獣から離れたが、それでも水面ギリギリでじーーーっと見張っている。

そんな中、怪物球体にせっせと水を与え続けたガーデナー油すましの努力が実り、
超怪物「なんじゃもんじゃ」が誕生した!
パパを餌に百目に魔法陣の文字を書き換えさせたり、
ガセネタで悪魔くんの仲間を捕獲、石化させたのは悪魔くんに魔法陣を使わせ、
なんじゃもんじゃの材料となる魔物を呼び出させる為だったのだ。何て回りくどい。

ようやくもののけの去った後、疲労困憊の家獣を休ませている悪魔くん一行の元に、
なんじゃもんじゃに乗った妖怪二人組が姿を現した。
メフィスト二世と家獣が戦うも、二匹の力を吸収しよりパワーアップしたなんじゃもんじゃに手も足も出ない。
そしてなんじゃもんじゃの触手が悪魔くんを捕まえ、壷に入れてしまった!
メフィスト二世はツノ電撃をしようとするが、ヨナルデに勝ち目は無いと止められる。
このまま一時退却するしかないが、悪魔くんが・・・!

責任を感じた百目は単身なんじゃもんじゃに目玉で攻撃!
当然当たる訳がないが、メフィスト二世のフォローで一つの目玉が小豆とぎの鼻にジャストミート
その拍子に落とした壷をいただいて脱兎の勢いで逃亡!
油すまし達は自分達の存在が人間に知られるのを恐れて深追いする事を止めた。

そして家獣の中では緊急作戦会議。
油すましが口をすべらした『一度死んだ』という言葉から、
今回の事件には地獄のボス閻魔が関わっている事を推理したヨナルデ。
地獄まで行かなくてはいけないのかと言うメフィスト二世にヨナルデはこの窮地を救う事ができる一人の悪魔の名をあげた。
その名はメフィスト老。
果たしてメフィスト老は悪魔くんを助けだす事ができるのか。
そして悪魔くんは一体どうなってしまうのか・・・。


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前回から壷の中の悪魔くん。
この危機を救う為メフィスト老が呼び出されていた。
息子からやいのやいのと責め立てられ逆立ち胡坐でしばし思案していたが、
急にひらめき四次元ポケット状態のシルクハットからメフィスト家が大切にしてきた「岩塩」を取り出した。
そしてそれをマンドラゴラの絞り汁に溶かし、壷をその中に入れる。
最初は無反応だったが、次第に壷から泡が・・・。
「頑張れ、悪魔くん」 「頑張るんだもん・・・!」
皆が祈る中、壷から唐草模様の球体が飛び出し、そして・・・悪魔くんが復活した!
メフィスト二世から貰ったふろしきマントのおかげで生気を吸われずにすんだのだ。
メフィスト家に代々伝わるふろしきだから、と親子揃って同じポーズで鼻高々になったり、
悪魔くんは一万年に一人現れるヒーローなのだから蘇って当然だ、と
ヨナルデが太平楽な意見を述べたりと洞窟内は喜びで溢れかえっていた。

しかしそんな浮かれムードの中、情報屋は確実に死に向かっていた。
もう時間がない!こうなったら直接閻魔のいる地獄に乗り込もうという悪魔くんに
かつて地獄に行った事のあるメフィスト老は乗り気薄で一度は魔法陣に逃げ帰る
メフィスト二世の「年取るとああも臆病になっちまうのかねぇ。」に逆ギレし率先して地獄に乗り込もうと意気込む。
そして悪魔くんは残りの十二使徒を召喚し、
息子の挑発にあっさり乗っているメフィスト老を先頭にいざ地獄へ出発!

魔動カーと家獣でここは日本のどこなんだという感じの所にある地獄に通じる入り口にやって来た
一行はそこでなんじゃもんじゃの待ち伏せに会う。
しかし妖虎、ユルグ、象人がなんじゃもんじゃを相手にしている間に地獄へ進入した!

地獄は聞きしに勝るおどろおどろしい所だった。
三途の川を渡り、閻魔の宮殿に近づいた時、地獄の鬼達が侵入者を排除しにきた!
それを家獣から飛び出した鳥乙女が吹き飛ばす!
ここは任せて先を急げと言うヨナルデ達を残し、怖がり屋の幽子とこうもり猫(本人談)を連れて
いよいよ閻魔のいる宮殿に足を踏み入れた。

そこには閻魔が待ち構えており、二度と地獄に来ないと約束したメフィスト老を見て怒りの攻撃開始!
百目とこうもり猫が蜘蛛の巣に捕まり、
更に応戦したメフィスト二世の魔力 絶対零度を吸い込み逆噴射したとばっちりで凍結してしまう。

そして幽子とメフィスト二世を握り潰さんとする閻魔に悪魔くんは説得しようとするが、
悪魔くんが『悪魔くん』だと知った閻魔は更に怒りを募らせる。
近頃地上を混乱に導いているものがいる。それが悪魔くんだと閻魔は言う。
誤解だ!というも全く聴く耳もたない頑固な閻魔に、悪魔くんはソロモンの笛で
自分達は悪魔と人間が仲良く平和に暮らせる世の中を築く為に戦っているのだと閻魔の魂に呼びかける。

ようやく分かってくれた閻魔は幽子とメフィスト二世を放し、左目から閻魔の魂である仁王を出した。
「わしとした事が判断を間違っておった。許せ。」
全然申し訳なさを感じられないわびをいれ、妖怪を操っていた霊波玉を叩き壊す仁王。
同時に妖怪となんじゃもんじゃは石になる。
黒い影の存在を暴き、人間と悪魔が共存できる理想郷を作る事を約束して悪魔くんは地獄を後にした。

そして情報屋も石化が解けていた。
と、そこへ百目が壷を手にやって来て「この壷どうするもん?」と言いつつ手を壷の中に!
慌てる悪魔くんと貧太。しかし霊波の切れた今、ただの壷になっていたのだ。
人騒がせな百目のお茶目に今回の事件の解決を実感し、
情報屋を置いてきぼりにして笑い出す三人だった。


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夏休みに学校の皆とキャンプに来た悪魔くん。
思い切り羽を伸ばせるかと思いきや、日頃の遅刻早退のせいで先生と勉強タイム。
その理由が悪魔退治だと言えない悪魔くん。不憫です。
しかし遊んでる悪魔くんを見物しようとやって来てやぶ蛇で一緒に勉強させられる事になった
メフィスト二世の方がもっと不憫だったりもするが。

そして悪魔も夏休み中なのか、人間界に小遣い稼ぎにやって来たこうもり猫。
昆虫に目をつけたまではよかったが、網も餌も無しで捕まえようとはまだまだ考えが甘い。
ようやく蜘蛛の巣に捕まった蝶をゲットできそうになるもさらっと逃げられ、結局収穫は0。
金もうけは何時の世も難しいものだ。

一方同じように遅刻早退していると思われるのに何故か勉強免除の百目とエツ子達は
見るからに悪事を考えていそうなおじさんから貰った網で昆虫採集にいそしんでいた。
その網を使うと百目でも簡単に蝶が採れるので、夢中で採取しまくる百目達。
そこへ一人の少女が蝶を採るのを非難し、止めるよう言う。
しかし熱狂している子供がそんな事を聞くはずもなく、意見はあっさり無視される。

乱獲者達が蝶を求めて森の奥へ進んでいくと、そこに見たことも無い美しい蝶が・・。
思わず見とれていると、先程の少女の声が聞こえてきた。
「いくら言っても分からない人達には、こうしてあげる!」
そして光る鱗粉があたりに降り落ち、百目達は瞬く間に眠り込んでしまう。
少女の名はモスと言い、妖精界に住む蝶の妖精であった。
厳しい顔で爆眠中の百目達を見つめるモスに、百目達に網を与えた悪顔の男が近づいてきた。
やはりただの虫マニアのおじさんではなかったのだ。
男はモスに妖精界へ案内させ、百目達と共に消えた。
濡れ手で粟を諦め散歩中だったこうもり猫がその様子を見ており、慌てて飛び去り、
先生を毛虫で撃退して軟禁状態の悪魔くん達を脱出させ、現場に駆け戻ってきた。
が、そこで理由も言わず急襲してきたモスと蝶達によって森の妖精界に連れて行かれてしまう。

花咲き乱れる森の妖精界。花々には人間界で絶滅した蝶達が戯れ、
草原にはサナギマン状態の百目と子供達が点在していた。
そして妖精の姿に戻ったモスが悪魔くんの前に現れ、森の妖精界の女王ティタニアが
人間の凶暴さを嘆き蛹となり、人間が再び平和を愛するようになるまで眠りについた事、
しかし自分は蝶を乱採する人間達に堪忍袋の緒が切れた事を一息に話し、
人間を片端から蝶に変えこれを刺してやる、と恐怖の宣言と共にビックサイズの採集針を取り出した。
そのモスの言葉を援護するように男が現れ、正体を見せる。
男はご想像の通りクエレブレであった。クエレブレはモスに悪魔くんを始末するように言う。
説得しようにも聞く気ゼロのモスは蝶に号令をかけ、攻撃を開始した!

メフィスト二世は蝶を傷つけるな、という命令に答え魔力 シャボン玉フワリンで蝶達をシャボン玉の中に捕らえまくる。
空中でファンシーな戦いが繰り広げられている間に悪魔くんは鳥乙女を召喚、
「鳥の気持ちが分かる君ならモスを説得できるはずだ」と無茶苦茶な要求をする。
鳥乙女はとりあえずピンクハリケーン(甘口バージョン)でモスを吹っ飛ばし、頭を冷やさせる。
その隙を逃さず悪魔くんは説得を開始し、
こうもり猫が結果的に助けたモスの仲間の蝶の口添えもあり、
さすがに頭の固い彼女も自分が間違っていた事を悟る。

そんなモスをあっさり見限ったクエレブレは、悪魔界に伝わる破壊の矛で妖精界もろとも悪魔くんを抹殺しようとする。
天は闇に覆われ地は裂ける!危うし悪魔くん!
その時、皆の危機を救う為女王ティタニアが蛹から孵り、クエレブレの動きを封じる。
とどめを差させようとする悪魔くんにティタニアは善悪問わず命は全て尊いものだ、と言い
クエレブレを大地に封印する。結局倒すのね。

しかし復活するのが早すぎた上クエレブレの魔力を全身に浴びたティタニアは力尽きようとしていた。
「ティタニア、君を死なせはしない。」と
本邦初公開の白魔法とソロモンの笛の力でティタニアに力を与えると共に、
全ての命を大切にする事を約束する。
ティタニアはその言葉を聞き、再会を楽しみにすると答え再び永い眠りについた。

今日の記憶が無い子供が若干名いる中キャンプも終わり、出発しようとする悪魔くん達の前に
蝶の大群が別れの挨拶に来ていた。その中にはモスの姿も・・・。
情報屋達は「まるで僕達の言葉が分かるみたいだ!」と
自分達が蝶を採集しまくっていた事も忘れて蝶に手をふるのだった。

そして今回図らずも大手柄だったこうもり猫は鳥乙女から「はい、ごほうび。」とほっぺにチュー。
最後の最後に大ラッキーなこうもり猫、「アッシの幸せ者〜・・・」と一人天国に旅立っていくのでした。


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