熱帯夜が続く中、埋れ木家は家族+2で夕食をとっていた。 「暑い時には冷やし中華ってのもオツなもんだねぇ。」と客らしくない態度で舌鼓を打っている メフィスト二世にエツ子はキュウリと玉子は自分が刻んだ、とすかさずアピール。 しかし、兄の茶化しと百目の「へ〜エッちゃん繋げて切るの上手いんだもん!」に敢え無く撃沈。 そんな乙女心無視のアットホーム感溢れる晩餐後、一瞬にして仕事モードに切り替わった悪魔くんは 黒い影の存在を知ろうとタロット占いを始める。 そんな仕事熱心な悪魔くんを尻目にメフィスト二世と共に暑い暑いとウダウダ言っていた百目は、 窓の外に信じられない物を見る。 「モン!モン!モン!」 あまりの驚きに言語を忘れる百目。 「雨じゃなくてキャラメルでも降って来たのか?」と興味なさそうに尋ねるメフィスト二世に 「雪が降ってるモン!」 。事実、庭の隅に雪が降り積もっている。 驚いて庭に出た三人の目の前で、雪の固まりが 蒼い髪の小さな少女に変わる。 「こ、氷の妖精だ!」 しかし日本は悪魔もゲンナリする蒸し風呂状態。氷の妖精はみるみる溶け出してしまう。 慌てていつもの洞窟に連れて行き、ピクシーの今回はまともな部類の材料を使った薬を飲ませるとようやく意識を回復した。 彼女の名はキララ。 南極にある氷の妖精の国、フィンダーガットに住んでいたが、 守り神であるウォーミィが突然暴れだして しまい、自分達ではウォーミィを止める事が出来ず、一万年に一人現れ地上を楽園にすると 伝えられている悪魔くんに助けを求めにきたのだ。 知らない間に南極にまで所在地が知られる程有名になっていた悪魔くんはさっそく家獣に乗って南極へ向かう。 ようやく南極にたどり着くと巨大なムク犬のような姿の怪物が氷を食べ進んでいた。 ウォーミィは既にフィンダーガットから抜け出て南極観測所の近くまで来てしまっていたのだ。 という事はフィンダーガットは壊滅状態になっているのでは。 そんな疑問はひとまず忘れておく事にして、今は南極観測所の危機を救わなければ! メフィスト二世は波動パワーで氷を割り、ウォーミィを氷の中に閉じ込めようとするが失敗。 ウォーミィはますます猛り狂ってしまう。 ウォーミィの弱点をキララに尋ねるが、ウォーミィは自分達の守り神だから傷付けずに元に戻して欲しいとご無体な要求をする。 悪魔くんは「やるだけやってみよう。」と成功を保証しない大人な逃げ方で返答し、 メフィスト二世のステッキを借り、所持者の抗議の声を無視して氷の上にガリガリと魔法陣を描き、 妖虎と相変らず労働意欲の感じられないユルグを呼び出した。 そして炎で牽制してフィンダーガットに返そうとしたのだがウォーミィに炎は通用せず、 逆にウォーミィの氷のブレスでユルグと妖虎、そしてギャラリーと化していた百目とピクシーを凍結させてしまう。 キララは思わず飛び出しこれ以上暴れないよう必死に呼びかける。 一瞬動きの止まるウォーミィ・・・しかし次の瞬間キララに襲い掛かった! 間一髪でメフィスト二世に助け出され何とか無事だったが、悪魔くんは、ウォーミィはもう悪の手先にされ てしまっている、と無傷はもう絶対無理と言わんばかりの通告をした。 そこへウォーミィが急襲し、悪魔くんが凍らされてしまった! 南極で半袖半ズボンの地点で既に凍死しているような気がするが、このままでは悪魔くんが危ない! ウォーミィを止めるには凍らせるしかない、とようやく協力する気になったキララの言葉に 魔力 絶対零度を発動!ウォーミィもブレスで対抗し、力比べとなった。 最初は押され気味だったメフィスト二世だが、渾身の力を振り絞り、遂にウォーミィを氷漬けする事に成功した! しかし氷はすぐに割れ、ウォーミィは再び暴れ出した!絶対零度がきかない! 早くしないと皆の命が・・・焦る二世に名案が浮かび、今まで蚊帳の外だった家獣に 太陽光線で皆の氷を溶かすよう言った。 家獣は早速雲の上に飛び立ち、全窓ガラスを使い、太陽光線を反射させた。 そして登場後即リタイアしてしまったユルグと妖虎、百目達、そして悪魔くんの氷に当たり、 常識を超えるスピードで氷が溶け、全員無事解凍完了した。 しかし絶対零度が効かないとなると、もう打つ手は無い。 「万事休すか・・・!」 するとキララは一つだけ方法がある、と言いブリザードを起こしてくれと頼んだ。 悪魔くんは鳥乙女とサシペレレを呼び出し、竜巻と風でブリザードを起こす。 ブリザードがウォーミィを包みこんだその時、キララがブリザードに向かっていった。 「・・・許して、ウォーミィ・・・!」 そういって胸のペンダントを外し、ブリザードへ投げ込んだ。 するとペンダントが輝き出しブリザードごと氷となりウォーミィを凍結させた! フィンダーガットに伝わるあのペンダントにはウォーミィを永久に凍らせる力があるのだ。 こうするより仕方なかったとはいえ、後味の悪い結末となってしまった。 「黒い影め!隠れてないで、でてこい!!」怒りを込め、悪魔くんは空に向かって叫ぶのだった。 そしてキララは眠るウォーミィと共にフィンダーガットへ帰っていった。 想像以上の巨大な悪が動いている事を再認し、新たに闘志を燃やす悪魔くんとメフィスト二世。 一方、東嶽大帝は悪魔王国の建設を着々と進めていた。 じわじわと、黒い勢力が増してきている・・・急げ、悪魔くん! 目次に戻る |
とある山中。荒涼とした山道とは完全にミスマッチな袈裟を着た大林寺魔州(だいりんじましゅう)と 毛むくじゃらの悪魔ベルゼブブが伝説の魔鏡アニマムディを探し彷徨っていた。 魔州が捜索を諦めようかと少々弱気な発言をしていたその時、 ベルゼブブの持つ占い杖がピョンピョンと飛び跳ね近くの洞窟に消えた。 占い杖を追って洞窟の中に入ってみると洞窟の中心に小さなピラミッドのようなものが鎮座していた。 と、そのミニピラミッドが消え、中から古い鏡が現れる。 そしてその鏡の中に小さな人間の姿が写り、抑揚の無い声で話し出した。 「急げ我らがメシアよ。」 「おおー!あなたはもしやその予知能力において並ぶものが無いと言われた古代中国の悪魔 視鬼魅(しきみ)!」 と魔州が感動している間にも視鬼魅の話は続く。 自分は一万年に一人現れるメシア復活の時に鏡の中から出る事ができる、そして 黒い影との戦いの日が近づいている、と語り、言うだけ言うと視鬼魅の姿は消え、元の何の変哲の無い鏡となった。 視鬼魅にメシアと認められたとウキウキの魔州は一万年に一人現れる真のメシアは一人で十分だ、と ベルゼブブに悪魔くん抹殺を命じた。 とことん自己中心的なメシアの誕生だが、 「ははーっ、確かに魔州さ・・・いえメシア様」 出世のコツを掴んでいるベルゼブブはすばやく言い換える。流石です。 そして舞台は悪魔くんの部屋へ。 悪魔くんがタロット占いをしているとエツ子がTVで占い王がでている、と呼ぶ。 「今忙しいのに・・。」と不機嫌そうに言った割に テレビの前に陣取って占い王のニュースを見る悪魔くん。 占い王は、どこかの社長が出した礼金を何のかんの言いつつ 速効で服の下にしまうような俗物根性の固まりだが、 何と的中率100%を誇る凄腕占い師で、テレビの前の「しんご」君を特別に無料で占うと宣言。 無料なんだし行ってみれば、という母親に対し、埋れ木父は新聞の占いでは仕事が大成功すると出ているが、 自分の漫画の人気はイマイチで打ち切りされるかもしれないのだからそんな外れるに決まっていると自嘲的に話している所へ編集者からの電話が・・。 とうとう打ち切りの通告かと脅えるが、何と新人賞を獲得したという吉報だった。 あまりの喜びに卒倒し男泣きにむせぶ埋れ木父。 その様子を見て「新人賞ってそんなに恐いのかもん?」と百目。 悪魔くんはこれは嬉し泣きだと教え、父の為に祝賀パーティを開こうと提案。 茶の間はお祝いムードで満ちていた。 そしてTVで言っていた「しんご」は悪魔くんの事に違いないから占ってもらえと 便乗を狙う友達連にいわれ、黒い影の存在を教えてもらえるかも・・・と 心を動かされた悪魔くんは「ちょっとした用事」をすませ、デパートに向かった。 しかしそこにはマスメディアの力を思い知らされる数の「しんご」達が老若問わず群れをなしていた。 これは今日中に占ってもらうのは無理だろうとあっさり諦めて帰ろうとした時、 占い王が「君こそ正真正銘の真吾君に違いない!」と叫び、 「もっと静かな所に行こう」と聞きようによっては危険な発言を言うが早いか 悪魔くんを連れ去り、人気の全くない山中にやってきた。 そして「お前の運命は死あるのみだ!」と言い放つや、顔の皮を剥ぎ取り正体を現した。 「お前はベルゼブブ!」 巷の占いブームは悪魔くんを誘き寄せる為の罠だったのだ! 又しても遠回りな計略をする悪魔の罠に掛かってしまった悪魔くん。 追ってきた百目と合流するもベルゼブブが放った無数の蛇に絡まれる! 魔界を追われ、罪滅ぼしの修行をしていたはずなのに何故こんな事を、と問いただす悪魔くんに、 「メシアが約束してくれたのさ。お前を始末すればメシアの片腕にしてくれるってな。 それで甘い汁をたっぷり吸わせてもらおうって寸法よ。」 と冥土の土産にと滔々と語るベルゼブブ。罪滅ぼしの気持ちは微塵も感じられません。 そういっている間も蛇に首を絞められ悪魔くん、百目共にピンチ! その頃埋れ木家では 「ねえ、ママ。パーティっていったらやっぱりサンバで踊り明かすんでしょ?」と異様なテンションの悪魔くんがいた。 実は悪魔くんに頼まれたサシペレレが、偽悪魔くんとなってパーティの準備をしているのだが、 「ハチ」は植木鉢、「カラオケ」は空の桶を持ってきたりとブラジル出身のサシペレレは 異文化ギャップに苦しめられるハメに。 そこへエツ子が帰宅、いつのまに帰ってきたのか、と問われ慌てて悪魔くんの部屋に逃げ込む。 だんだん追いつめられてきたサシペレレの元にメフィスト二世が現れた。 早速現状を訴えるサシペレレ・・・。 そんな事があり、悪魔くん達を探していたメフィスト二世。 森の上空を飛んでいると悪魔くんと百目が抱き合って苦しんでいるという訳の分からない光景を見る。 そこにベルゼブブの姿を発見し、すぐさま戦闘開始! が、ことごとく動きを先読みされ、攻撃が全く当たらない。 動揺するメフィスト二世。 魔力 火炎放射を繰り出すが逆に占い杖が放出した水竜巻に巻き込まれる! 悪魔くんはメフィスト二世のピンチに動揺する事も無く 現実にはありえない空中での水渦巻から全てベルゼブブの幻覚魔術だと見抜く。 そして魔法陣でユルグ、幽子、妖虎を呼び出し一斉攻撃させる。 ・・がユルグだけ全く動かない。いつもの面倒くさがりかと思ったら ベルゼブブが占い杖で相手の動きを全て読んでいる事を察知した。 しかし動きが読まれているのならどうすれば・・・。 妖虎と幽子がベルゼブブに痛めつけられ、今度は悪魔くんが狙われたその時、 ユルグの狐火がベルゼブブの周りを取り囲み、占い杖の予知能力を封鎖した! おいしい所を一人占めした後はメフィスト二世にバトンタッチ。 今までのお返しとばかりに魔力 稲妻電撃が炸裂する! 雷の直撃を受け、コゲコゲになって落下するベルゼブブ。 同時に落ちてきた占い杖は悪魔くんがしっかりチャッチ。 そして敗北を認めたベルゼブブは掌を返したように卑屈になり、大林寺魔州の事を話し 自分は命令されただけだ、と言い逃れをする。 もちろん問答無用のメフィスト二世を「ベルゼブブの心にちょっと魔が差しただけさ」と なだめ、占い杖まで返して奉免する悪魔くん。 視鬼魅に会えば黒い影の事を聞けるはず、とすぐ出発しようとする悪魔くんだが、 今日は自分が言い出した受賞パーティが。 幽子達の好意により既に参加確定らしいメフィスト二世と悪魔くん達はパーティに出席してから合流する事になった。 そして無事埋れ木茂氏新人賞受賞パーティが始まった。 貧太、情報屋、キリヒト、そして影の功労者サシペレレもしっかり出席。 「迷惑かけてゴメンね。」とこっそり謝る悪魔くんに 先程のパニック状態を忘れたかのように「気にしない気にしない!」とサシペレレ。いい奴です。 和気あいあいとパーティが進む中、一人悪魔くんは パーティが終わったらすぐ天狗のねぐらへ駆けつけようと考えていた。・・・もう少し祝ってあげて・・。 そして天狗のねぐらの大林寺魔州は悪魔くん抹殺を諦めてはいなかった。 「必ず始末してくれる。この真のメシアであるわしがな・・・!」 目次に戻る |
前回から新人賞受賞パーティ中の埋れ木家。 埋れ木父がサイン会状態でイラスト付き直筆サインをせっせと書いたり、 メフィスト二世が虎視眈々とサシペレレのラーメンを狙ったり、サシペレレがそうはさせじと パイプでラーメンを一気食いしたりと宴もたけなわの中、 悪魔くんは早く妖虎達の所に行きたい為気もそぞろ。 そう思っているうちに埋れ木母が眠り込んでしまい、そろそろお開き、という事になった。 悪魔くんは声を裏返して露骨に喜び、メフィスト二世達とこっそり抜けだそうとするが、 エツ子がラーメン作るからもう少しゆっくりしていけば、とメフィスト二世だけを引き止めた。 メフィスト二世は悪魔くんの怒りの視線を感じて3秒程迷うが結局ラーメンの誘惑に屈服する。 怒り頂点の悪魔くんに百目の「追跡用発信機」で後から追いかけるから、と何とか説得。 そんなメフィスト二世を残し、いつもの洞窟に急ぐ悪魔くん達の前に先生が懐中電灯を手に現れる。 父からプレゼントされた指輪を無くしてしまったから一緒に探して欲しい、とお願いをされてしまう。 先生には逆らえない悪魔くん達は仕方なく指輪探しを手伝う事に。 しかし当たりは暗く、見つかりそうにない。明日にしたらどうかと尋ねようとすると 先生は何を思ったのか木の上に立って不敵に笑っていた。 先生ご乱心?!と思っていると先生の姿が揺らぎ、ポニーテールのキツイ顔をした女性に変わる。 彼女はメシアの一番弟子、灰怒羅(はいどら)と名乗った。 「まんまとひっかかったね坊や。命は貰ったよ!」と言うなり口から霧を吹く。 すると辺りの木々が一斉に襲いかかり、蔓が悪魔くん達を捕らえ全身を締め付ける! 頼みのサシペレレはパイプを弾き飛ばされ赤ちゃん化。何の為の十二使徒か分かりゃしない。 そのピンチの場にマッハでラーメンを食べ終えたメフィスト二世がやって来た。 目を赤く光らせ不気味に笑う怪しすぎる灰怒羅を見て即敵と断定。 魔力 電撃パンチで先制ヒット、続いて魔力 遠心分離で灰怒羅を高速回転させる。 すると灰怒羅が猿の姿に。灰怒羅の正体は大林寺魔州の妖術で人間にされた猿だったのだ。 そんなに弟子が欲しかったのか魔州・・。 妖術がかかっていたままの方が良かった灰怒羅モンキーはそのままどこかへ逃げていった。 悪魔くん達は気を取り直して家獣を呼び出し天狗のねぐらへ出発した。 一方その頃、天狗のねぐらに到着した妖虎、ユルグは幽子を入り口に残して中に潜入していた。 洞窟の中央にアニマムディの魔鏡を発見し、視鬼魅を呼び出そうとするが反応無し。 代わりに今まで物陰に隠れていた魔州が姿を現し視鬼魅は自分にしか答えないのだ、と 妙に誇らしげに言い放ち、妖虎達に襲い掛かった! 妖虎達も応戦するが、座禅したまま宙に浮くという人間離れした能力の魔州に太刀打ち出来ず、 魔州の妖気 金縛りで硬直化してしまう。 「お前達は、じき気体となって消え去るのだ。」と硬直化しているユルグ達にご丁寧にレクチャーする 魔州。 その一部始終を幽子に頼まれ様子を見に来た豆ユーレイが目撃しており、 大慌てで伝言ゲーム宜しく別の豆ユーレイに伝達、そして最後の豆ユーレイが幽子にこう報告した。 「ハリガネでシバラレてデンキでキカイにされたって〜」意味不明すぎ。 そうこうしている間に悪魔くん達が天狗のねぐらに到着。 豆ユーレイから正確な情報を入手した幽子から妖虎達のピンチを聞いた悪魔くんは 生きる盾家獣を先頭に一気に洞窟内に突入した! そこには幽子の言うとおり妖虎と大口開けてバンザイポーズのユルグが 薄く光りながら硬直している姿を発見する。 そして魔州が相変わらず宙に浮かびながら悪魔くんの前に現れ、視鬼魅に認められた自分こそが 真のメシアなのだと自信満々に言う。 メシアは悪魔くんに決まっている!と口々に異論を唱えるメフィスト二世達に 「だぁまれぇ!」と子供相手に逆ギレした魔州は攻撃を仕掛けてきた! 妖虎とユルグを倒す実力の魔州はさすがに手強いが、百目の百目玉顔面ふさぎとサシペレレキックで ダメージを与える事に成功。魔州は地面に落下した。 「木偶の棒、立ってみろ!」と挑発するメフィスト二世。 しかしキレるとヤバイ男だった魔州は怪しげな呪文を唱え、月霊を召喚した。 巨大な影のような月霊にメフィスト二世の絶対零度も幽子の召魔鏡も通用しない。 家獣が巨大化して月霊に体当たりするが、力負けしてしまい地面に埋め込まれる。 そしてメフィスト二世は壁に叩きつけられ、そのままどんどん壁に埋まっていき、サシペレレも柱よろしく直立で地面に埋まり、 百目も泣き笑いの顔でめり込んでいった。 幽子を庇いつつ逃げていた悪魔くんはふと思いついてソロモンの笛を吹き始める。 すると月霊に動揺が走り、動きに鈍りが生じる。 今度は魔州に、その力を皆の平和と幸せの為に使って欲しいとソロモンの笛で説得を試みる。 しかし魔州は「ワシの力はワシの為に使う!」と混じりっけの無い自己中心的意見を叫ぶと、 月霊に止めを刺すよう命令を下す。 その時、アニマムディの魔鏡から閃光が発射、魔州と月霊に直撃した! 月霊はその一撃で霧散し、魔州もノックダウンする。 同時にメフィスト二世らもめり込みから引き抜かれ、妖虎とユルグも妖術が解ける。 そして鏡の中から視鬼魅が現れ、悪魔くんこそ一万年に一人のメシアだと宣言した。 ボロボロの魔州が自分こそがメシアだと言ったではないかというと、 視鬼魅は眠りの中で常にメシアに呼びかけていたのであって魔州をメシアだと言った覚えは無いと つれなく言い、更に自分を鏡から出せなかった魔州はただの妖術使いだと罵った。 それならそうと言ってやれ視鬼魅。 詐欺だ!と至極当然の怒りに震える魔州は視鬼魅に攻撃を仕掛けるが、 神々すら恐れた魔力の持ち主には敵う筈もなく、逆に魔力を全て奪われヨボヨボの老人になってしまう。 そのままヨイヨイと当てもなくさ迷い出る大林寺魔州。その傍を灰怒羅猿が付き添っていった。 自分の蒔いた種とはいえ哀れ、魔州。 そして何事も無かったかの様に話を元に戻し、黒い影の正体を訪ねる悪魔くん。 視鬼魅はそれは9900万の悪魔を従える魔界の超悪魔、東嶽大帝であると告げる。 そして自分はメシアに黒い影の正体を教える為一時的に鏡から出る事ができただけで、 悪魔くんが真の平和な楽園を築いた時、初めて自由の身になる事ができるのだ、と言い 再び鏡の中で眠りについた。 悪魔くんは必ず平和な世界を作り、視鬼魅を鏡の中から開放する事を約束した。 とうとう黒い影の正体が分かった!その様子を見えない学校から見ていたファウスト博士は この強大な敵に動揺を隠せないでいた・・。 目次に戻る |
インドはガンジス川の辺にある小さな村。その村の近くにある森に一人の悪魔がやって来た。 悪魔の名はアムドスキアス。 東嶽大帝の「ガンジス川を悲しみと絶望の川と変えるのだ」という詩的に表現された命令によりこの地にやって来たのだ。 そして木に逆さに立ちバイオリンを奏で始める。 哀調を帯びたメロディーが村に響き渡ると、眠っていた子供達が急にうなされ出し、 叩いても揺すっても全く目を覚さくなってしまった。 長老以下大人たちはもはや神頼みしかする術がなく、ガンジス川に浸りひたすら祈り続けていた。 そんな事があったとは全く知らないin日本。悪魔くんたちは魚釣りの帰路についていた。 収穫ゼロでがっかりムードの三人をよそに、長靴と空缶を「釣った」と一人呑気に喜んでいる百目を 冷やかす情報屋だが、「自分のお尻を釣った情報屋よりましだもん!」と恥ずかしい反撃を受ける。 そんな事をしながら歩いていると、道端に人だかりが。 人の集まる所特タネあり!とズボンが破けているのも忘れて情報屋が突進し、つられて悪魔くん達も近づいてみる。 そこにはターバンを巻いたあからさまにインドな容貌の老人が壷の前に座っていた。 そしておもむろに取り出した笛を吹きはじめると、壷からスネーク・・・ではなく縄が独りでに 空に向かって伸びていき、奇術師も縄に捕まり空中へ。 一言も言葉を発することなく始まったマジックショーに大興奮でシャッターを押し捲る情報屋。 だが奇術師は悪魔くんを見つめ、目を光らせていた・・。 その夜、昼間の奇術師が埋れ木家の前に現れ、笛を吹き縄を操り始めた。 縄は悪魔くんの部屋まで伸び、悪魔の研究中力尽きて眠っていた悪魔くんを縛り上げた! 悪魔くんは布団で爆眠中の百目に助けを求める。 半分眠りの世界にいて「こんな夜中にどこいくんだもん?」とまさしく寝ぼけた事を 言っていた百目が、ようやく覚醒し助けにいこうとするも、縄に巻き付かれ、縄の蛹と化してしまう。 悪魔くんは口でてすりにぶら下がって抵抗したが、結局奇術師の元に引き摺りだされる。 奇術師は「お前を今からインドの四賢人様の元へ連れて行く」と言い、 問答無用で悪魔くんを壷の中に吸い込み、背中に収納していた人魂に乗り、飛んでいってしまう。 その様子を蛹から放った百目玉が見ており、翌日やって来たメフィスト二世にその旨を知らせる。 「俺達もインドへ行ってみよう!」と悪魔くん捜索の旅へ出発した。 一方インドでは奇術師が例の壷から液体化させた悪魔くんを取り出し元の姿に戻した。 悪魔くんが「窮屈だった〜。」と呑気な発言をしつつ体をコキコキしていると球体に乗った四人の老人が現れた。 奇術師はおもむろに土下座し彼らがインドの四賢人だと説明した後四賢人に 「悪魔くんを連行してきました。」と報告した。 四賢人達は悪魔くんが十二使徒達と共に東嶽大帝と戦っている事を知っている事を話し、 世界の秩序が乱れ、更に東嶽大帝の差し向けたアムドスキアスが子供達を悪夢の世界に閉じ込めてしまっている、 こうなったのも、悪魔くんがぐずぐずして東嶽大帝を倒せないからだ、と一斉に非難しだした。 さすがに温厚な悪魔くんも、このあんまりなイチャモンにムッとして反論。 「僕は!これでも一生懸命やっているんです!・・ただ、まだ、力が足りなくて・・・」と 後半勢いが無くなった所ですかさず 「力が足りぬのなら悪魔くんでいる資格は無い!」と情け無用の台詞と共にソロモンの笛を奪ってしまう! そして追い討ちを掛けるように「どこへなりとも行くがいい!」と 悪魔くんをインドの森の中に放置したまま奇術師共々消え去ってしまう。 訳もわからずインドまで連れてこられてソロモンの笛を奪われ、挙句森の中に置き去りされてしまった 悪魔くん。八方塞がり状態だが、とにかくこの森を出なくては話にならない。 やみくもに彷徨っているとようやく民家を発見。 「助かった〜!」と大喜びで民家の一つに駆け込むと、子供達の呻き声が聞こえる。 どうかしたのか、と尋ねる悪魔くんに、もうそんな余裕は無いのかいきなり現れた見知らぬ相手に事情を説明する家の主。 先程四賢人の言っていたアムドスキアスの仕業に違いない。 悪魔くんはソロモンの笛を取り戻すよりも子供達を助ける事を優先することにした。さすが救世主! しかし十二使徒を呼び出す訳でもなく、 「アムドスキアス、出てこい!僕が恐いのか!」と棒を片手にアムドスキアスを挑発する悪魔くん。 単身戦おうとするその姿は悲しいまでに頼りない。 無論ノコノコ出て行くアムドスキアスではない。森の影からバイオリンを奏で始める。 悪魔くんは用意周到に耳に綿を詰めていたのだが、それでもバイオリンの音色が頭に響く。 「耳に栓をしても無駄だ!このバイオリンの音色はお前の脳に直接響くのだ!」と 相変わらず逆さ状態でバイオリンを弾き続けるアムドスキアス。 「眠っちゃ駄目だ・・・!」必死に睡魔と戦う悪魔くん。 そこにバイオリンの音を聞きつけたメフィスト二世たちが駆けつけた。 メフィスト二世がアムドスキアスのバイオリンを止めようと魔力 稲妻電撃を放とうとした瞬間、 ほわわわんと水晶球に包まれてしまう。百目もついでにほわわわんと化す。 見えない学校では前代未聞のピンチに全員司令室に集まり不安げに見守っていた。 と、司令室の映像に四賢人達の姿が映る。 インド出身の象人がヨナルデより早くインドの四賢人と召使のフランネールである事を指摘した。 ファウスト博士はメフィスト二世達を水晶球に閉じ込めたのは四賢人達であり、 これは悪魔くんが乗り越えなくてはいけない試練なのだ、と言った。 そうこうしている内に悪魔くんはとうとう眠り込んでしまい、夢魔界地獄へ落ちてしまった! 光の無い、岩だらけの夢魔界地獄に落ちた悪魔くんの耳に、もし悪魔くんが「助けてくれ」と言えば子供達と悪魔くんの魂は 自分のものになるのだ、とアムドスキアスの声が響く。 すると夢魔モーラが現れ「助けてくれ」と言えばここから出られるんだと甘言で誘う。 しかし悪魔くんはそれを拒否し、子供達を助けるため荒地を進む。 が、次々と化物が現れ悪魔くんを恐怖におとしめる。何とか「助けて」と言わずにいる悪魔くんだが、 蜘蛛の糸で自由を奪われ、じわじわと火あぶりにされだんだん限界が近づいていく。 『もし、ここで僕が助けてと言えば、僕もあの子達も助かるんだ・・・でも・・・』 その時、 「頑張れ、悪魔くん!」 何故か悪魔くんの事を知っている囚われの子供たちが口々に応援をはじめた! そして見えない学校でも十二使徒達が、水晶球からメフィスト二世達が懸命に悪魔くんを応援する。 「そうだ・・・僕は『悪魔くん』なんだ!」 悪魔くんに勇気が蘇った! この化物達は自らの恐怖が生み出したのだと悟り、まっすぐ子供たちの元へ進む悪魔くん。 怪物達が行く手を遮ろうとするがことごとく消え去っていく。 焦るモーラが数多の動物の頭を持つ魚というもう恐いのか笑えるのか分からない魔物を 放っても悪魔くんは全く動じない。 遂に自ら襲い掛かるも恐怖に打ち勝った悪魔くんに敵うはずも無く、悲鳴と共に掻き消えた! そして子供達の元に辿り着いた悪魔くん。囲んでいた炎も消え、子供達と共に 夢魔界地獄から脱出したのだった。 同時にメフィスト二世らの水晶球も消えさり、悪魔くんの手にソロモンの笛が戻ってきた。 四賢人達は、「その勇気こそが大切なのじゃ!さあ、ソロモンの笛を吹いてみるがよい。」と言った。 ソロモンの笛を吹くとアムドスキアスのバイオリンの弦が弾け、アムドスキアスも秒殺される。 悪魔くんのレベルアップの為にやって来たも同然のアムドスキアスが倒れ、 子供たちも悪夢から開放された。 ガンジス川に平和が戻り、四賢人はこれで安心して死を迎えることができる、 次に自分が生まれて来る頃には平和な世の中になっている事を祈っていると言い、 難癖つけてソロモンの笛を奪った事や、試練にかこつけてアムドスキアスを退治させた事について の謝罪は一切無く、空に消えていった。 試練を乗り越え又一つ成長した悪魔くん。新たな決意と共に空を見つめるのだった。 目次に戻る |
人間世界は夏まっさかり!埋れ木一家+αは貧太・情報屋・キリヒト三人組の家族ぐるみで 海水浴にやって来た。 親はのんびり日光浴。そして子供は水着に着替えて海水浴といそしんでいるが、 今回メフィスト二世の他にもう一人ゲストが・・・。 「えーっ!悪魔くんの彼女ォ?!」 「違うよぉ。紹介するよ、僕達の友達で幽子っていうんだ。」 何故か幽子のみを海水浴に連れて来た悪魔くん。彼女発言にも素で対応しています。 突然の異性の出現で色めきたつ三人組とは対照的に、幽子とメフィスト二世の関係を百目に詰問するエツ子。 「友達だもん」というファジーな返答では全然納得せず「ただの友達とかそれ以上とか 色々あるでしょ!」と更に厳しく追及。 それを見て「エツ子ったら、メフィスト二世にやきもちやいてるみたいだぞ。」と余計な一言を言った為、 攻撃の矛先を向けられそうになった悪魔くん、あわててボートに乗ろうと提案し、ボート乗り場に向かった。 しかし廃屋寸前の貸しボート屋の主人はこの近辺に海坊主が出て船を襲うのでボートは貸せない、とつっぱねる。 そういえば最近この辺りで海難事故が相次いでいるらしい。 思わず呪われた海水浴場と言う単語が頭を過ぎる。 これは特ダネだ!と神をも恐れない情報屋を除く全員が気味悪く思っている所に突如一人の少年が現れ、 「セドナは悪くない!」と叫び、そのまま走り去ってしまう。 「セドナ」という言葉が気になった悪魔くんと百目は少年の後を追った。 少年はヒロシといい、貨物船の船長をしていた父親は、三年前この近くの沖で遭難し、行方不明となっていた。 そして、ある日崖から海を見ていたヒロシは、急に海面が光った事に驚き足を滑らせ海に落下してしまう。 それを助けてくれたのが、巨大な海坊主の姿をした「セドナ」だったという。 ヒロシを信じると言った百目の言葉に、ようやく話を信じてくれた人物に会って感激し、 何だか元気が出てきたといい、この場を去った。 確かにそんな話を信じるのは悪魔と、悪魔と日常茶飯事に付き合っている悪魔くん位なものだろう。 しかし、悪魔くんはめったに姿を見せない冥界の王セドナが本当に 人前に現れたのだろうか、とディープな疑問で考え込んでいた。 その夜、天気予報も予測していなかった暴風雨に見舞われる。 すわ、海坊主か!と息巻く情報屋を先頭に悪魔くん達は港に向かった。 海岸では、漁船がまだ帰ってきていないと騒ぎになっていた。 その中にヒロシの姿もあった。 ヒロシは「海坊主、どこにいるの〜?」と場の雰囲気を解さないでカメラを構えるデリカシー0の情報屋を睨みつけ 「セドナが悪いんじゃない!」と走り出し、小さなボートで海に漕ぎ出していった。 海の子とはいえこのシケでの出航は自殺行為に等しい。 ヒロシを追いかけてきた悪魔くんは家獣を呼び出し、転覆直前のヒロシをゲット、 次に丁度近くにいた漁船を回収しようとした時、突如大渦巻が発生し、家獣ごと飲み込まれてしまう! 渦巻の中心に昼間のボート屋の主人の顔をした人魚が現れた。 「お前はグラウコス!」 そう、この一連の海難事故は、又もや悪魔くんを誘き寄せる為起こされた、悪魔くんが海水浴に来なければ絶対分からないような罠だったのだ! その時百目に呼ばれて幽子と共に応援に来たメフィスト二世が到着。 「悪魔くんを頼むぜ!」と百目と幽子を家獣の上に乗せ、グラウコスに向かっていく! 「僕に任せるもん!」と豪語した百目と幽子はただ家獣を励ますのみ。全然任せられません。 メフィスト二世は魔力 稲妻電撃で狙うも水中を高速で移動するグラウコスになかなか当てることが できない。 そうしている間にとうとう家獣が渦に飲まれてしまった! それに気を取られた一瞬を狙ってグラウコスが尻尾で水鉄砲発射!メフィスト二世も渦の中へ! 流れついた先は珊瑚の森のような小さな島だった。しかし空が見えず暗い空間のそこはで尋常でない雰囲気が漂っていた。 そこにグラウコスが現れる。 本当の目的は何だと叫ぶ悪魔くんに、ルキフェルの命令で日本に悪魔くんを倒す為やってきた事と、 その見返りとしてルキフェルがサタン王国を復活させた暁に海の世界をいただく予定だと未来の設計図を話す。 どこの世界にも権力のおこぼれを貰おうとする輩がいるものだ。 「ヒロシ君、やっぱりセドナのせいじゃなかったもん!あの変な顔した奴のせいだったんだもん!」 と敵の目前にして至極ストレートな意見の百目。 本人も気にしていたのかグラウコス激怒!頭の珊瑚を発射し、メフィスト二世と家獣を磔にした! そして、珊瑚の樹に付いている実は自分が襲った人間の霊魂が入っており、自分が死ねば珊瑚の樹は 枯れ、霊魂は永久に成仏できなくなるのだ、と攻撃したければしてみろと言わんばかりにねちっこく 言うやいなや、珊瑚から珊瑚人間を次々と創り、悪魔くんたちを襲わせる! ただワラワラと寄ってくるだけの珊瑚人間を、磔から脱出したメフィスト二世と家獣らが 片っ端から退治していくが、珊瑚の実から悲痛な声が。 珊瑚人間を傷つけると霊魂にもダメージが伝わってしまうようだ。 慌ててメフィスト二世らに攻撃させるのを止めさせると、待ってましたとばかりにワラワラワラと珊瑚人間達が迫ってくる。 このままでは皆珊瑚に喰われてしまう! 悪魔くんはこの現状を打破する為、ヨナルデを召喚した。 「こうなったらセドナの霊力を借りるしかないのである。」 ヨナルデはそう言い、セドナを呼び出すには強力な精神力が必要となり、 もし失敗すればセドナの怒りをかい、冥界に引きずり込まれてしまう、と警告した。 しかし、やるしかない・・・! 悪魔くんはセドナ召喚の為の魔法陣を描き、呪文を唱えた。 魔法陣から強烈な瘴気が噴出す! 『セドナ、僕はヒロシ君のお父さん達の霊魂を助けたいんだ、 そしてこの海をグラウコスから守る為にも・・』 『父さん達や皆を助けてくれ、セドナ・・・!』 悪魔くんとヒロシの声が届いたように一気に瘴気が膨れ上がり、悪魔くんはその勢いに飲まれ 倒れこむ! だが、海上に魔法陣が浮かんでいる! 「今だ、悪魔くん!」ヨナルデが叫ぶ! 「出でよ、セドナー!!」 悪魔くんの声と共にセドナが現れた! セドナの出現でさすがに焦ったグラウコスはヒロシを人質に取り、大津波を起こした! 「セドナー!」ヒロシが叫ぶ。 ヒロシの声に答えるようにセドナは巨大な口を開け、津波を飲み込んだ! そしてグラウコスをヒロシともども吹き飛ばした! ヒロシはメフィスト二世がしっかりキャッチ。 グラウコスは珊瑚の枝にキャッチされ、あっさり消え失せた。同時に島全体が揺れ始める。 この島はグラウコスの魔力で海中に作られたものだったのだ。 霊魂達は珊瑚から離れ、ゆっくりとセドナの元へ集まっていく。 その中の一つがヒロシに近づいてきた。 「・・・父さん・・・!」球体の中には敬礼する父の姿が映っていた・・。 やがて島全体が崩れ始め、家獣で漁船と共に脱出する一行。 ヒロシは視界から遠ざかっていくセドナと父に涙を流しながら別れを告げた。 そして嵐が嘘のようにおさまった港ではヒロシの母親が帰ってきた息子を叱っていた。 心配かけてゴメン。でも父と約束したのでもう心配はかけない、とヒロシ。 その様子を見ていた悪魔くんの耳に母親の声が・・・。 「真吾ぉーー!もう、どこに行ってたのー!百目ちゃんも今度という今度は許しませんよー!!」 母親の怒髪天の声に二人はあわてて逃亡! それを笑っていたメフィスト二世の耳にも、 「メフィスト二世さーん!まさか、ずっと、幽子ちゃんと一緒だったんじゃないでしょうね、どうなのー!」と嫉妬の鬼と化した エツ子の声が・・・。たまらず逃亡に加わるメフィスト二世。 救世主と十二使徒とはいえ、身内には頭の上がらない三人でありました。 目次に戻る |