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地然星 混世魔王 樊瑞(はんずい) 


梁山泊の道術使い・・・なんだけど。

若くして道術を修得、更に仙人を目指して放浪していたそうだがものの見事に転落、李袞・項充を従えて芒トウ山の
山賊の頭になったなんちゃって道士。
史進達を仲間に加えノリノリ状態の梁山泊に真っ向から挑戦状を叩きつけた命知らず・・・もとい野望溢れる好漢。
だが、呉用が提案した「諸葛亮が石を置き並べて考えた」という彼に相応しい胡散臭さ満載の陣形を引いた梁山泊軍と、
公孫勝の道術にあっさり敗れ、先に捕虜になっていた李袞・項充に説得されてさらりと仲間入り。
手下は三千人という梁山泊合流山賊では最大規模の親分ながら、どうも李袞&項充からはイマイチ信頼されて
いない、というか軽く見られいたようでちょっと可哀想だが、入塞後、公孫勝に弟子入りして仙人の道に一歩近づけたのだから贅沢を言ってはいかん。
その後は流星鎚(縄の先端に銅塊が付いている投擲武器)の使い手という名に恥じず、思い出したかのように
時たま敵を倒したりするが、彼の本分道術は「梁山泊の最終兵器」公孫勝のおかげでほとんど目立たないし
使うシーンも少ない。
何の為に公孫勝に弟子入りしたんだろう・・・。

渾名の混世魔王は俗信の中の悪神の名前。
他作品では「紅楼夢」の主人公・賈宝玉もこの渾名がつけられているが、こちらはもっとソフトに「やんちゃ坊主」位の
ニュアンスになってます。さすがロマンス小説の男主人公。
他にも「西遊記」で最初の方で孫悟空に瞬殺される(・・・)妖怪として登場したりも。
混世魔王って・・・。
幻想水滸伝⇒ クロウリー
体に百の紋章をつけているらしいが、紋章は一つしか使ってくれない幻想水滸伝一の吝嗇家。
なぜかクロン寺奥の洞窟に潜み修行に励んでいる。何年潜伏しているか分からないが、とりあえず髭と髪の毛は一体化完了済。
ちなみにルック(公孫勝)とは無関係。

地好星 毛頭星 孔明(こうめい) 


名前負けにも程がある

しつこいようだが姓が「孔」、名が「明」という三国志の諸葛孔明とは微塵も共通点のない金持ちのボンボン。
実は孔兄弟の父親が逃亡していた宋江を招いた縁から宋江から棒術を学んでいた。
そこで「何となく、この二人弱そう」と思わないように。
武松vs孔明戦(原因の95%は武松)が勃発寸前の時都合よく居合わせた宋江が両人を取り持ちスパッと和解。
いつもの如く好漢らしい仲直りだが、兄弟揃って「お見それしました」とパッと平伏というのは好漢としてどうかと。
このゴタゴタが終わった後、いさかいが高じて地元の金持を一家皆殺しにしてしまい、兄弟共に山賊に。
清々しいまでの好漢ぶりに、読者の知らない間に他界していた父は草葉の陰で嘆いていることだろう。
その後青州城に捕らえられた叔父を救おうとするが、呼延灼に逆に自分が捕らえられてしまう。
この情けな…もとい血気盛んな兄を助ける為、弟の孔亮が梁山泊に助けを求めた経緯を経て梁山泊入り。
大抵弟とワンセットで地味に活躍する。
ところで孔明の字「毛頭星」は日本で言う所の昴。いいじゃん、と一瞬思ってしまうが中国で昴は不吉の星。
でも好漢的にはオールオッケイ。
幻想水滸伝⇒ フウマ
目に眩しいド派手な赤の忍装束に身を包む忍者。
現在竜洞騎士団内にて気配を消す修行中。でも頭巾がしっかり見えてます。

地狂星 独火星  孔亮(こうりょう)


武松と会ったが運のつき?

姓が「孔」、名が「亮」。決して諸葛亮を連想してはいけない。
一人なら偶然で済まされるが、兄(孔明)と並べると著者の意図が透けて見えて仕方が無い。
最もこの孔兄弟は何度読み返してもオツムがよろしいとは感じられないのだけれど。

そんな微妙な名前の孔亮の初登場シーンはかなりショッキング。
自分で用意した酒・肴を酒屋で飲んでいただけなのに、危険な感じに酔っている武松にからまれ、
ボコボコにされた挙句谷川に放り込まれて凍死寸前&全治二ヶ月(本人談)
ここで怒らない好漢がいないはずもなく(主に孔亮側の)血の雨が降る予定だったが、偶然その場にいた宋江の
とりなしもあって和解。
それはいいけれど、そのタチの悪い酔っ払いが実は噂に名高い武松だったと聞いて、
いきなり「先程はお見それしまして」と土下座してしまうのはいかがなものか。
こんな登場の仕方ゆえ、怒りっぽいからつけられたという「独火星」に疑問の念が湧きあがるも舞台からフェードアウト、
後に兄と共に山賊になり、呼延灼に捕らわれた兄を助ける為梁山泊へ駆け込み、そのまま仲間入り。
しかしその山賊になったいきさつを話す際「兄が(いさかいを起こしていた)金持ちの一家を皆殺しにしてしまい
山賊になりました」と、隣の家の柿を盗りましたと言うのと同じ位さらっと言ってのけてしまってる辺り、
遅かれ早かれこうなる運命だったのだなと確信してしまう。
入塞後も話の端々にさりげなく登場し、一芸無い組の中では割と目立っている方なので、
それはそれで良しとすべきか。
幻想水滸伝⇒ ムース
メース(湯隆)の一番弟子にして次代の鍛冶屋大師匠となる鍛冶屋イエロー。
鍛冶の腕も髭の濃さも弟子中トップ。

地飛星  八臂那タ 項充(こうじゅう)


李逵親衛隊その1

樊瑞を頭に李袞と共に芒トウ山で山賊をしていた。
渾名の「八臂那タ」とは封神演義でおなじみナタクの事で、三面八臂の那タ太子という意味。
鼻息の荒い渾名だが、実力がそれに見合っているかというのと・・・。
歌によれば団牌(盾)を用い、背負った24本の短刀は100歩向こうの的も外さないゴルゴな命中率・・・と
すごいスナイパーぶりだが、これは下の李袞とほぼ一緒。
筆者がこの二人をセットに考えたのか、元々一人だったのが人数あわせに二人に分裂させられたのか・・。
どうひねくり回してもしょっぱい考えしか浮かばない。
二人仲良く捕虜になった後、李袞と共に樊瑞を説得して仲間になるのだが、
「樊瑞は自分たちがいないとなんにもできない」と、本人のいない所で言いたい放題な所に頭との溝が垣間見れて
切なくなる。
その分李袞とは仲が良いのか、樊瑞を説得する為根城に帰る道中、二人で宋江の徳の高さを称えあった、というくだり
があり、その一文が妙に睦まじ感たっぷりで微笑ましくもむずがゆい。
入塞後も李袞と同じく李逵と鮑旭の生きる盾となって大活躍する。文面には出ないけど。
幻想水滸伝⇒ ミース
口の悪い鍛冶屋グリーン。弟弟子のマース(鮑旭)がいないと仲間にならない。
この全開の身内意識は師匠メース(湯隆)譲りに違いない。

地走星 飛天大聖  李袞(りこん) 


李逵親衛隊その2

綽名の「飛天大聖」とは民間神行に登場する神の名で、また孫悟空の別名でもあるらしい。
その渾名と実力が伴ってない感が拭えない彼の特技は、百発百中の投槍の腕と団牌での防御。
この遠距離スキルを駆使して樊瑞、項充と共に芒トウ山で山賊をしていたが、
何をどう思ったのか破竹の勢いの梁山泊に挑戦状を叩きつける。
史進に勝利するも、後から応援に駆けつけた公孫勝の術に敗れ項充と二人仲良く捕虜になるが、
好漢大好き宋江の人徳パワーにやられ、樊瑞を説得して三人仲良く仲間入り。
その後は仙術の控え選手となった樊瑞に置いてけぼり・・・かと思いきや、
その高い防御力と遠距離攻撃を買われて李逵と鮑旭の生きる盾となり、二人の前方に立ってバリケード&
飛刀援護。
特に李逵は興奮すると上半身裸で暴れまくる為、この二人がいなければ早々にあの世へ退場していた事だろう。
三人組で頭がイチ抜けした後は悲惨な末路を辿る好漢が多い中、揃ってそこそこ出番があるというのは
なんとも奇跡的。
登場回数が多くても目立てたかは大いに疑問だが。
幻想水滸伝⇒ セルゲイ
売れない発明家。というより最弱戦闘メンバーとしての方が有名かも。
エレベーターが欲しいなら彼を仲間にしましょう。

地巧星  玉臂匠 金大堅 (きんたいけん)


職人気質の細工師

元は武芸好きな一良民だったが、ある一人の人間と知り合いになってしまった事が
平凡な人生の永劫の別れとなった。
その男とは天機星・呉用。
『宋江(とついでの戴宗)救出、偽手紙作戦』の偽印作り要員として目をつけられてしまい、仕事があると偽って梁山泊に呼び寄せられ、そのまま強制的に入塞させられてしまった。
「玉臂匠」とあだ名される程の素晴らしい腕があるとそれを悪用しようとする者(=呉先生)が現れるものである。

しかもその後、呉用が如何にして騙したのかを当人に誇らしげに語っていた所からこれっぽっちも金大堅の気持ちを考慮に入れていないぶりが計り知れて一層浮かばれない感が強い。
しかし報酬銀子50両と聞いて思わずほくほくしてしまった金大堅もちょっと俗物根性が強いので、
梁山泊ではけっこう適応していたのかもしれない。
ちなみに入塞後も前職を生かした兵符・印信製作担当者として職人さん生活をしているので
弱気系好漢かと思いきや、
王慶の戦いで敵に捕まり拷問を受けても相手を罵り続けた燃える闘魂の持ち主でもある。
幻想水滸伝⇒ キンバリー
アンテイにいる飾り細工師にして偽印作りの名人。
マッシュ(呉用)、テスラ(蕭譲)と組んで船荷の密輸をした事がある。酒と渋い中年が好み。狙った獲物は逃しません。

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